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市場-1

2017年11月1日

これまで書いてきたことと重複する部分もありますがコーヒー市場の現況について…..。

 

 

 

人工知能の応用実験は、文学作品の表現とコーヒーの風味にまで及んでいますし、
また、ワイン選択の際にソムリエに頼らなくてもよいようなあらたな仕組み(初めにいくつかの項目を選択することにより嗜好性が判定され、ワインとのマッティングが図られる)も考えら実用化されています。
これから、さまざまな応用がみられるでしょうが、それらと科学的な相関はまだまだ先になるでしょう。

 

 

「外食、中食市場においてソフトドリンクの食機会数が2.5%上昇したのにかかわらず、コーヒーの食機会数は0.3%減少した。特に缶、ペットボトルなどの市販品以外の手淹れコーヒーが2.4%減と大きく減少し、市場を牽引していたコンビニのカウンターコーヒーも横ばいとなっている。」(エヌピーディー・ジャパン株式会社2016.7~2017.6データ)

 

 

インスタントを除くレギュラーコーヒーの市場は以下の通りで(トン 日刊経済通信社)需要は拡大傾向にありました。コーヒー市場は、喫茶店の減少にも関わらず、コンビニコーヒーで市場拡大がみられましたが、ここにきて飽和状態になったといえるのかもしれません。

年度20122015 業務用66.85084.300 家庭用76.50086.700 工業用102.60097.500 合計245.950268.500

コマーシャルコーヒー(以下CO)生豆の主な流通は、多くの場合生産国~大手商社経由~大手焙煎会社、もしくは生産国~大手商社~中間問屋~中小焙煎会社などとなり、多くは価格競争の激しい市場を形成しています。業務用の主流であった喫茶店は1981年の154.630店から、1980年以降のFF,FRの誕生,1990年以降のコーヒーチェーンの増加、店主の高齢化、後継者不足、使用コーヒーの品質低下、家庭での飲用の増加等様々な要因により半減しています。

 

 

そのような状況の中で、喫茶を主要卸先とし焙煎豆を供給していた中小焙煎会社は1990年以降販売先を失い減少傾向が続き、大手焙煎会社の寡占化が進んでいます。
また、中小焙煎会社に生豆を卸していた生豆問屋も顧客の減少に直面し、その一部は、2000年中盤以降、大手商社からのCOの購入依存構造から、自社で高品質のスペシャルティコーヒー(以下SP)などの輸入を模索し、新しい市場を構築し、生豆市場での差別化を図り今日に至っています。
2000年以降増加した自家焙煎店が主に使用したSPの市場規模は、SCAJによるでは8.1%程度(2016年の生豆輸入量からの推測データ)となっています。
しかし、その伸び率は鈍化傾向にあり、CO、SP共に日本市場では飽和状態に近づいていると考えられます。

 

 

 

このような状況化、市場には低品質から高品質まで多様なコーヒーが流通しています。しかし、川下(喫茶、レストラン、ホテル、オフィス、FF、コンビニ等)におけるコーヒー従事者の一部は、原材料である生豆品質及びコーヒーの本質的な風味について十分に理解しているとはいいがたく、また消費者にも同じようなことがいえます。

 

 

 

現在、フィリピン、韓国、中国などアジア圏でコーヒーの消費拡大がみられますが、反面、さび病、気象変動、農地の宅地化などコーヒー生産阻害要因も多くみられ、需要が生産を上回る懸念さえあります。
そのような中でCOの生豆価格が比較的低価格で維持されているのは、量産種で低価格のロブスタ種の生産増なども考えられ、その比率は40%に達しています。私がこの仕事を始めた1990年はアラビカ:ロブは7:3の比率でした。
ロブスタは、現況の需要拡大対策には有効な側面を持ちますが、反面酸味が無く風味の点ではアラビカ種に劣り、これ以上の生産増はコーヒーの風味の平均値を下げ、そのことからコーヒー離れを招く可能性さえ危惧されます。反面、SPの生産量が増加したことにより、新しい市場も生まれていますが、その規模は小さく、コーヒーの品質、風味は多様化している訳です。
他方、ハイブリット品種の開発は、従来のカチモールをもとにしたものから、新たに耐病性があり風味のよいハイブリット品種に向っています。南スーダンから選抜した野生種とアラビカを交配したハイブリットは、現在世界中の生産地において栽培適応試験もされています。しかし収穫まで最低3年かかるコーヒーの品種改良では、F1から品種の安定性には時間がかかりますので、栽培品種としてデビューするのはまだ先になるでしょう。
例えば、コロンビアのカスティージョを例にとれば、F1はすべての木が耐さび病で矮小でしたが、F2では耐性及び樹高にばらつきが生じ、そこからさらに選抜してF5まで交配を繰り返し生育させました。

 

 

 

アラビカの多くを占めるCOは、各生産国の輸出規格がありますが、それらの最上位のコロンビアSP、グァテマラSHB、タンザニアAAまたブラジルNo2などは、現在は品質がよいとはいいがたい状態です。
厳密な欠点数のチェックを行えば輸出規格より欠点数は多く見られ、官能評価のスコアは低くなります。そのような状況から、2000年以降高品質なコーヒーが求められ始めた訳です。
昔はよかった(….おそらく30~40年前)という方(私より年上になるでしょう)もいますが、当時の生産量は、今より少なく、収穫及び精製に余裕があり、そのような側面もあっつたかもしれませんが、品質に関するデータは無く主観的な感想となるでしょう。私がこの仕事を始めた1990年代は、一部の例外を除き、生豆品質の低下は顕著に見られました。その意味で、2000年中盤以降のSPはこれまでにない優れた品質と風味を持っていると思います。これらの豆についてはSCAAの官能評価基準によりある程度客観的に評価されてきています。

 

 

 

高品質なコーヒーが求められた2000年初期から中盤を振り返ると、第一段階ではトレサビリティが問われ、その後産地見学などを経て現場を知り、輸出会社や生産者とのパートナー関係が構築され初め、栽培、精製方法などの見直しが図られ、梱包、輸送、保存に至るまでの品質管理に目が向かけられて、今日に至っている訳です。
したがって、日本におけるSPのスタートは、2001年頃に萌芽がみられ、2005年頃から生豆の品質という観点からの輸入が徐々に増え始めたといえます。
その意味では、生豆の品質に着目した歴史はまだ15年程度でしかなく、現状でも生産地におけるイノベーションが繰り返され、そして進化しつつあります。

 

出かけなければなりません。

続く

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