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第1次から第4次まで自家焙煎店開業の変遷と予測-2 

2019年5月4日

2010年に入ると、米国のサードウェーブの情報が少しずつ入るようになります。初期のサードウェーブは、スタンプタウン(ポートランド)、インテリジェンシア(シカゴ)、カウンターカルチャー(ノースカロライナ・ダーラム)など生豆の品質に目を向け、主に業務用の市場に目を向けたロースターでした。もちろんコーヒーショップも数店舗ポートランドやシカゴにありましたが、多店舗展開する目的はなく、顧客のためのトレーニングセンターを重要視していました。


しかし、日本のメディアは、彼らのショップや西海岸などのマイクロロースターのショップスタイル(ブルーボトル、リチュアル、フォーバレル、サイトグラス)などを紹介することが多く見られました。

すでに、生豆の品質に目を向けた日本の自家焙煎店があるにも関わらず、メディアはサードウェーブ一辺倒でした。バリスタ選手権が認知されつつあり、ブリュワー選手権などでドリップの抽出スタイルも生まれつつあり、新鮮でトレンドを探すメディアにはぴったりだったと思います。

2010年以降は、米国でもエスプレッソマシンと焙煎機を備えた業態が急成長し、コーヒー=ビジネスとして投資の対象としてとらえられるようになります。


この異常とも思える動きは、2015年のブルーボトルの日本進出でピークを迎えたといえるでしょう。


その結果として、最終的には、ファンドによるピーツコーヒー(2016年2月26日の活動日記参照)の買収、そのピーツによるスタンプタウン、インテリジェンシアの買収、その後のネスレによるブルーボトルの買収があり、サードウェーブの勢いは一気に消滅したかのようです。メディアの取材対象は、スターバックスのロースタリ―に移ってしまいます。

この日記でも「帝国(スターバックス)の逆襲」というタイトルで書いています。


しかし、このブルーボトルの影響は大きく、2015から2016年にかけ個人及び異業種からの自家焙煎店の参入が急増します。2010年以降からこの時期を「第3次自家焙煎店ブーム」ということもできるでしょう。30代などの若い世代が参入したのも特徴です。



さらには、カフェや喫茶店も自分で焙煎できるのか?を試すために1k焙煎機や、さらに小型のテスト焙煎機を購入するような動きも顕著に見られました。実際に自店(喫茶)用にサンプル焙煎機で焙煎したり、ネット通販のみの店として焙煎したりする状況も生み出しています。
そのような、小口に対応した生豆販売の会社も生まれています。


また、自家焙煎店という古典的な言葉に対し、「アトリエ」「サロン」「焙煎所」「焙煎職人」「アーティスト」「アルティザン」など様々なことばの使用が見られたのもこの時期の特徴です。


さらに、サードウェーブの影響は大きく、焙煎機を導入せずカウンターでコーヒーを販売するコーヒースタンドも多くの出店がみられ、もはや数は把握できません。
従来のコーヒーショップチェーンのフランチャイズは、全自動エスプレッソマシン、コーヒーメーカー、アイアコーヒーメーカーその他設備費を入れると4千万円程度の出店コストがかかります。



エスプレッソマシンとドリップのみで客席さえ持たない店は、出店コストがかからず、参入がしやすく、泥臭い店からスタイリッシュな店まで誕生し、新しいコーヒー文化誕生の側面をみます。
しかし、ローコストで出店できるということは、ハイリターンは難しいということを多くの店が実感していると思います。



この2015~2016年前後に出店した個人及び異業種から参入した自家焙煎店(面倒なのでこの言い方にします)は、すでにその地域で営業している自家焙煎店と競合することになります。
10年前に開業したLCFメンバーの商圏には、2~3店の自家焙煎店が生まれて、競争が激しくなっています。



サードウェーブに影響を受けた新しい店は、そのスタイルを模倣しましたが、生豆の知識やカッピングのスキルを持たない傾向もあり、競合の市場でうまくいかないジレンマを抱え、一部に撤退もみられます。
また、サードウェーブは、新しいスタイルを生み出しましたが、世界中が同じような店ばかりになり、次第に新鮮さ。個性が失われつつあると感じます。


この、日本におけるサードウェーブの危うさを目撃した開業予備軍は、新しい自家焙煎店のモデルを見失いつつあるように感じます。2016年以降、私の大学院時代は、自家焙煎店の開業の動きは鈍化しています。



開業本は次から次へと出版され、マンネリで、雑誌の開業特集もなくなりました。当然、3~5kg程度の小型焙煎機の需要は停滞しています。


SPの需要は2016年の8%程度から、2018年の10%程度に拡大していますが、店舗数も増えた結果、一部の力のある店以外は、1店あたりの販売量は減少傾向にあります。


また、現時点の経済状況は人手不足の売り手市場で、「焦って起業する必要もない」と考えるのでしょうか?起業よりも安定をもとめる社会的風潮のようなものがあるのかもしれません?少子高齢化、人口減少による市場の縮小化を肌で感じ取っているのかもしれません?


3年間大学生に接し、その就職活動もみてきましたが、初任給は20年間変化なく、入社後の昇給も非常に少なく、一部上場の企業といえどもよいところばかりではなく、収入格差は広がっています。一人暮らしの生活は、
厚生年金などの社会保障額の増額、奨学金の返済など10年前よりきびしさが増しているように感じます。



かねてより、コーヒーは「農業と科学」、開業は「経済とマーケティング」といってきましたが、まさに開業は時代を分析する能力が必要で、さらにはよいコーチが必須です。

話のまとまりがありませんが、推敲はしていないのでご了解を。 続く

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