パパ日記

内々定とコーヒー育

ここ2~3年大学の新卒の就職は、過去最高レベルの売り手市場と考えられます。志望動機は、その時代を反映しています。

今年もすでに、内々定が50%を超えているのではないかと推測され、6月にはさらに増えると考えられます。


志望動機は、2010年の「やりたい仕事ができる、安定している、働きがいがある、社風がよい」から、2020年は「安定している、やりたい仕事ができる、給料がよい、これから伸びそう」と変化しています。


10年前に比べると、安定性を求める傾向が見られるのかもしれません。この時代背景と起業との相関性は、1991年のバブル崩壊、2000年時の経済状況などを考えれば、ある程度推測できます。



ここ2年間の飲食業全体の出店数は鈍化していますので、それに伴い個人店の出店の鈍化は以前書いた通りです。

反面、「働き方改革」以降の近い将来には、起業が増える可能性は増すと推測しています。



人気企業の100社(学情参照)を見てみると、食品関係が多いのに気づきます。知名度が高いこともあるのでしょうが、約20%を占めています。
東証1部の上場企業の「食品」区分が約100社で、そのうち20社ちかいのですから、人気の高さが際立ちます。



しかし、ここにコーヒー会社が入り込んでは来ません。
キーコーヒー(株)、(株)ユニカフェは1部上場ですが、最大手のUCC上島珈琲(株)は非上場です。

人気がないわけではないでしょうが、UCCや一部の大手を除くと、全体的に売り上げ規模が比較的小さいこと、ごく一部の企業しか知明度がないこと、コーヒーに関心がないことを意味しているのかもしれません。
市場には、コーヒーが氾濫しているにも関わらず不思議です。

もっとコーヒー業界に来てほしいですね。
業界は、川上の専門商社から、川中のロースター(焙煎会社)、川下のコーヒーショップまでありますので、自分の適性を考え選べばよいと思います。


世界的に見れば、コーヒー研究は、あらゆる食品の中でも最も多いのではないかと思われますが、2年に1回開催されるASIC(国際コーヒー科学会)で日本人が発表する事例は極めて少ない状態です。2016年の昆明(中国)での口頭発表は0で、2018年のポートランド(米国)では、サントリー、UCC、堀口の3者が発表したのみでした。

日本の食品関連の学会に出席しても、コーヒーに関する研究発表はほぼありません。たまに香りの発表があるくらいです。
各大学においても、コーヒー研究はほとんどされていませんので、そのようなところにも関心度の少なさに影響しているかもしれません。


食の幅広い専門分野の農大にいても、コーヒーに強い関心を持ち、コーヒー会社に就職したいという学生にはなかなか遭遇しません。


と言いつつも、、私の周辺の生豆業界には農大出身者は何人かいます。
一方、学会に行くと、コーヒー関連会社の研究開発部門に院卒者が増えてきているのも感じますが、もっとこの業界に来てほしいものです。

その意味でも、「コーヒー育」が必要と考える今日この頃です。