パパ日記

ペーパードリップ-3

続き

但しブルーボトルの日本出店は、スターバックスの日本出店と同じような状況下でいいタイミングといえなくはないでしょう。
スターバックスが1996年に銀座に日本に1号店を出した時、日本経済はバブルの崩壊後で衰退していた時期です。日本の喫茶店は年間3000から5000店倒産していた時期です。銀座で喫茶店が激減しているときに出店したのですから、絶好のタイミングだったといえるでしょう。
この時期は、日本の喫茶店の衰退期で、コーヒーショップチェーン店の拡大の時代で、東京23区に個人の喫茶店の開店は極めて少ない状態が続いていました。

 

 

その後は2000年以降のカフェブーム及びビーンズショップブームまで新しいムーブメントは起こりませんでした。

 

 

対してブルーボトルは来年の2月に出店するようですが、日本はコンビニコーヒーのブームであり、コーヒー需要の底上げがなされている時期です。
これもいいタイミングなのかもしれません。
米国ではブルーボトルのようなサードウエーブといわれる店がサンフランシスコ、シアトル、ポートランド、シカゴなどにでき、さらにはその支店や影響を受けた店が同地区やニューヨークにもでき始め、それらの情報が世界的に波及し、オーストラリア、ニュージーランドなどで新しいコーヒームーブメントを起こし、2010年代にはいると日本、韓国、ヨーロッパなどの若い世代に影響を与えました。

 

 

厳密ではありませんが米国の主な流れは以下の通り(  )内は開業年
サンフランシスコのピーツーコーヒーから
→ ブルーボトル(2002)→ リチュアル(2005)、フォーバレル(2008)、サイトグラス(2009)
シアトルのスターバックスからイタリア系
→ カフェヴィータ(1995)、ビバーチェ(1988)
スターバックスに対抗するポートランドとシカゴ
→ スタンプタウン(1999)→ コーバ、ハーツなどのマイクロロースター
→ インテリジェンシア(1995)、

 

 

 

日本では2000年以降、スペシャルティコーヒーに影響を受けた自家焙煎店、ビーンズショップ等が多く出店し、2010年以降はエスプレッソをベースとした店や、米国のサードウエーブやそのサードウエーブに影響を受けた店(チルドレン)などに影響を受けた新しい感覚の店が出店しています。

 

ブルーボトルのオーナーは日本の伝統的喫茶が好きで、その影響を受けペーパードリップ、サイフォン、水出し等様々な抽出を試してきました。
最終的には米国でペーパードリップを普及させた大きな原動力になったともいえるでしょう。
数年前堀口珈琲に来店した時はネルの抽出方法を解説しました。

 

 

 

さてもともとドリップコーヒーはネルでの抽出が基本となっています。
それを簡易化したものがペーパードリップともいえるでしょう。
しかし、メリタやカリタはドリップ(透過法)なのですが、湯の抽出方法からいうと粉と湯を接触させておく浸漬法(フレンチプレスやサイフォン)の要素もあり、日本の伝統的なネルドリップの系譜とはやや違うように感じます。

 

 

 

そこで、私は1990年の開店時からコーノ式の円錐形のドリッパーを使用しました。
当時はこのドリッパーはあまり普及していませんで、喫茶店でも使用している店は極めて限らていました。堀口珈琲で使用することにより、日本にかなり普及したと思います。
当時カラードリッパーもありましたが、色つきは敬遠され売れない時代でした。
そのため、堀口珈琲が1998年頃から赤のドリッパーを使用し、又販売もし、カラードリッパーの普及に大きくつながったとも思います。
このドリッパーの設計思想は、ネルの香味をできるだけ再現しようとして開発されています。

続く

 

 

今朝のコーヒー
ケニア・ガトンボヤ1:エチオピア・ゴティティ2のブレンド
共に華やかな豆ですが、配合はどのようにしてもバランスはとれます。
ご家庭でブレンドして飲んでいただいても構いませんよ。

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上原店