パパ日記

ミシュランとドレスコード

ミシュランが日本のレストランに星を付けるようになったのは2007年からでしたが、そのころからややフレンチから遠ざかっていきました。お墨付きなると考える店主が多かったと思いますが、私のようなフレンチ好きには少し違和感があり,敷居が高くなりました。

 

 

当時一番の問題点は、その選定結果から、1.だれが、どのような基準で選んでいるのかが読み取れなかったこと、3.不自然と思える選定がみられたこと、2.星がつくと新しい顧客が増え、それまで店を支えてくれた常連が入れなくなることでした。しかし10年もたつと、ある程度そのような問題も解決されたかもしれません。星の有無で店を選ぶというようなこともなくなりつつあり、それぞれの店が棲み分けできるようになってきていると感じます。少しは洋食文化が成熟したといえます。

 

 

 

ランチには、食べること好きの女性たちが多く見られますが、本来の店のスペシャリティはディナーにあり、食べ手は昼と夜で入れ替わります。高価格帯の店は、お金に余裕のある食通及び接待に限られ、中価格帯は少し背伸びをした食好きの女性たちも多くなります。しかし、食のジャンルは多様でありフレンチのみを継続して食べ続ける食べ手は少数となります。女性の場合であれば、結婚、出産後にディナーに行く回数はかなり減るでしょうし、男性も食通ばかりではありません。
私鉄の沿線のフレンチで、料理のみで一人5000円を超え商売できる店は少なく、どうしても都心部に店が集中することになります。世田谷でも、焼肉や寿司には5000円以上支払いますが、フレンチでは高いと思ってしまうところが、まだまだ大変なところでしょう。

 

 
街場のフレンチの歴史は、1980年前後のビストロから40年しかたっていないとみるか?40年もたったとみるか?その見方はなかなか難しいところです。

 

 

フレンチレストランのドレスコードは、30~40年前に比べかなり緩くなり、ほとんどの場合ディナーでも襟付きジャケットにシャツで大丈夫です。ディナーでネクタイ着用まで求める店はほぼなくなりました。
前述の「トゥール・ジャルダン」ではネクタイを求められ、キャンセルした経験がありますが、あとはどこがあるでしょう…….?

 

新宿パークビルの「ニューヨークグリル」に、真夏の夜に短パンでいったら断られ(昼は大丈夫なのですが)、長ズボンを借りたことがあります。(今は貸していないようですのでご注意)
ここは、ホテルのランチのビッフェ(前菜とデザートはビュッフェでメインは選ぶ)は、おそらく日本で最もコストパフォーマンスが高く、味も良質だと思います。
ホテルビュッフェは流行っていますが、多くの場合質は低いと思います。

 

ここのシャンパンはルイ・ロデレールで高いですのでビールにすればよいでしょう。
またステーキを頼むと昼でも10.000円どころですまなくなくなりますので無理して食べないように注意してください。好きなレストランですが、最近はサービスにやや難を感じる時もあります。

 

 

ついでに、ホテルのコーヒーに関していえば、多くの場合良質のものにはなかなか遭遇しません。
ロブスタの重い味のコーヒーなども多く、そのひどさを上げればきりがありません。
これは多くのレストランのコーヒーやケーキのイートインなどにもいえることで、コンビニのコーヒーが「おいしい」というのもこのようなところに原因があるのだと思います。

 

 
さて、高級店はハレの時間ですから、おしゃれをした方がよいのでそれなりの服装は必要です。
私は、この仕事を始める際に、ネクタイとスーツは着ないと決め、すべて処分し、その後もスーツの購入歴はなく、冠婚葬祭用、タキシードくらいしか持っていません。
タキシードは日本ではほぼ使用する機会はありません。
夜のパーティーでもスーツもしくはスマートカジュアルでお越しくださいと書かれていることも多く、タキシードにエナメルの靴など行ったら浮いてしまいます。
そもそも電車に乗れませんので着替えるしかありません。

 

 

スーツはありませんので、SCAJの理事会出席者で私だけジャケットも着用せずカジュアルで出席しています。
しかし、レストラン用として最低限ジャケットくらいはありますが、昔のスキー場での「むち打ち」の後遺症でネクタイをしめることができません。首が苦しくなりTシャツも着ることができません。
本当はネクタイをして、ドレスアップし、気取って、グランメゾンにも行きたいのですが…..。

 

 

日本のグランメゾンに続く