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市場-2

2017年11月3日

1991年までのバブルのころは、土地に向ってお金が動いていましたので金利上昇があり、利息で生活できる人も多くいました。現在は0金利で投資が少なく近代経済観点から見ると異常な状態で、20年以上成長が停滞しデフレ状態です。

 

 
成長は、一般的にはGDPの成長をいいますが、現在の日本はそのような成長のメカニズムが動いているのかよくわからない矛盾した状況下にあるように思います。
大企業の一部が内部留保している状況の反面、一人あたりのGDPは世界でも22位(2016/IMF)と生産性の伸びはありませんので、国内では限られたパイの中での競争か、海外の市場に出ていくなどで成長を図るしかありません。

 

 

 

日本企業が海外で稼いだ収益の国内還流は4兆ともいわれ、それらは内部留保され、その他の中小企業との格差の拡大が著しくなっているようです。
そこに課税しようというような無茶なことをいいだす政党もでてきて、少しおかしいと感じました。
先日お会いした某社は、非上場で収益が極めて良いのですが、外資が50%の資本を持ち日本法人親会社が40%と他社が10%で配当で内部留保が無いとのことでした。
海外還流も多いということを忘れてはいけません。

 

 
また、日本の株価の上昇は、日銀やの買い支えやGPIFの投資による下駄がどの程度かわかりませんが、10%くらいはありそうで正常な状態とはいえません。
極端にいうと株主が国ですので、資本主義から社会主義に移行しているのかとさえ思えてしまいます。
知人のアナリストは、資本主義である限りお金は稼げるといいきりますので、金融資本主義は健在で、モノを生産して消費する仕組みの上前をはねているのではないかと感じてしまいます。

 

 

 

このような経済状況の中で、モノは低価格でも高価格でも、そこに何か共感できる理念が重要になり、それらを消費者に理解していただくという考え方は、創業時から変わってはいません。
「なぜこの仕事をしているのか?」は、社会に何らかの貢献につながるということが基本となります。
そこにはさまざまなストーリーがあり、それを共有できる方の輪が広がればよい訳です。

 

 

 

多様な品質のコーヒーの有る中で、堀口珈琲がSPを扱うことは、発展途上国(日本は発展停滞国でしょうか?)の生産国及び消費国のコーヒー産業維持に有益であるという価値を理解していただくことでもあります。

 

 

 

さて、SP市場はどうかというと、世界的に見ても主な使用者は自家焙煎店(マイクロロースター)が多くなります。優れた生産者により作られた1コンテナ(250~300袋)以上のロットから小農家の10袋のロットまで多様なコーヒーで構成されています。堀口珈琲では10~15年以上継続して取引している農園も多く、数コンテナ購入する農園から、エチオピアのステーション、ケニアのファクトリー、コスタリカのマイクロミル、コロンビア、ペルーの小農家まで多様な生豆を購入しています。

 

 

 

当然、生産現場で手間をかけた商品は、品質・価格が高くなり、SPの品質、価格も2極化し、ここ数年はハイエンドのSPを購入できる焙煎会社も限られるようになってきていると感じます。
米国のサードウウェーブ(言葉の起源は2002年)の隆盛は、5~10年程度の潜伏期間を経て2010年前後からSP市場を世界的に刺激しました。
従来のコーヒーに物足りなさを感じる焙煎業者が増加した結果といえますが、他方日本では、メディアによる言葉の拡散がその本質をゆがめたと考えています。(サードウエーブについては、活動日記に何度も書いていますので参照ください。追記するならば、ファンド系によるインテリジェンシア、スタンプタウンの買収、ネスレのブルノート買収でサードウエーブは終焉を迎えたといえるかもしれません。)

 

 
日本においては、米国の流れとは別に、1990年以降自家焙煎店が誕生し、2000年以降の急速な増加がSP市場を支えてきたといえるでしょう。小規模ですが、その数はおそらく5000店以上(正確な数値はない)ありで世界で最も多いと考えられます。
米国のサードウエーブの成長が業務用のコーヒー中心で急速な拡大を見たのとは異なり、日本は家庭用の市場に緩やかに浸透していった歴史を持ちます。

 

 

 

前述したように、過去15年の日本のSP歴史の中で、消費は増加傾向にありましたが、その伸びはここにきて鈍化しているように感じます。円安によるコスト負担、生産国の人件費などのコスト増による価格上昇は、消費国のSP市場の成長の阻害要因になると考えられます。

 

 

 

さらに、気象変動は、アラビカの耕地面積の減少につながりやすく、良質のコーヒーの生産機会が限られてきています。(すでに、コスタリカや堀口珈琲で扱うコスタリカ、パナマ、コロンビアなどは、従来の栽培限界標高である2.000mを超えた栽培地で作られたものも含まれています。)

 

 

 

アジア圏などのコーヒー需要拡大の中で、供給総量の増加が求められていますが、ロススタ、汎用アラビカ以外に、高品質コーヒーの生産差別化は必要です。それらは市場を牽引する役割を果たすはずで、最終的にはコーヒー産業発展に不可欠と考えます。
したがって、SPの消費減はコーヒー生産の危機にもつながると考え、難しい局面に差しかかりつつあるとも考えられますので、日本市場の中でよいコーヒーのガイド役を務めていければと考える次第です。

 

 
コーヒーは、長い間嗜好飲料の中心的位置に君臨してきましたが、最近は多様な嗜好飲料も囲まれています。ミディアムローストでpH4.7~5.2程度の弱酸性のコーヒーには多様な有機酸が含まれ、15%程度の脂質、その他カフェイン、スクロース、アミノ酸などが品質、風味の差異も生み出します。
それらは、テロワール、品種、栽培、精製方法、輸送、保管など様々なプロセスに影響を受けています。これだけ複雑な風味の嗜好飲料は他にはなく、個人的には「非アルコール飲料の中で最も素晴らしい飲料」と思っています。

 

 

 

コーヒーは、泥水のようなものから風味のよいものまで多様化していますが、SPとCOが適正な価格でバランスよく共存する市場が形成されることが望ましいと考えます。
市場原理にもとずく低価格商品の拡大は、薄利多売流通構造が業界の寡占化を生み、コーヒーの多様化に逆行し、かつコーヒーはおいしくないとコーヒー離れを誘因し、生産者の収益の低下につながります。また生産意欲の減少から、品質の低下を招き、また廃業にも繋がりやすい危険性をはらむと考えられます。

 

 

 

SPは、CO市場(NY相場)と異なる市場を形成するようになりましたのでコーヒー産業全体の中で新しい地位を獲得しつつあります。SP市場は8.1%程度(SCAJ2006年調査)といわれますが、日本の輸入生豆を750万袋(60kg/1袋)とすると60万袋となりますので、個人的実感としては多すぎる数値と感じます。個人的には、市場での潜在的需要は高いと思いますので、それらの顕在化のために「コーヒーのおいしさ、品質の良し悪しについて」多くのコーヒー関係者の理解が必要であり、それを消費者にも伝えていく努力が必要と考えています。

 

 

 

参考のために、現在流通しているコーヒーについて、かなり大まかですが、以下のような生豆品質区分も考えられます。

  1. ロブスタ種(ベトナム、アフリカ、ブラジルのコニロンなど)
  2. 輸出規格比較的下位のCO(EX、AB、G-4、HGなど)
  3. 輸出規格上位のCO(SP、AA、G-1、SHBなど)
  4. 輸出規格上位のプレミアム品(広域の産地指定、輸出会社のブランド品、希少品など。
    但し80点以上であればSPに区分)
  5. カッピングで80~84点以下のSP
  6. カッピングで85点以上のSP

 

 

これらは、各生産国の等級(欠点数、豆のサイズなど)、SCAA(現SCA)の物理的な評価(欠点数、生豆の色など)や客観的な官能評価により、ある程度は区分することができます。
しかし、各生産国の等級基準と現物の差異は大きいのが実情で、またSCAAの欠点豆評価基準は現状の品質向上のなかでは緩すぎますし、客観的官能評価基準も90点以上のスコアの付け方は曖昧といえます。

 

 
また評価項目の採点基準の科学的根拠は希薄ですので、将来的には新たな評価の基準が求められるようになると考えます。

 

 

見直す時間がなく、くどい文章となりましたがご容赦ください。

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