パパ日記

新年 その3・マズロー「完全なる経営」

「おいしいコーヒーを作りたい」そのために、よい生豆を理解することから始めた訳です。
創業型の10年は、日本にある高品質といわれる生豆はほぼ全て試しました。
それでもなんとなく満足できないため、2000年以降は産地に出向き現場を見るようになった訳です。

 

 

 

創業時は「品質が良ければ利益は結果としてついてくる」という考え方でしたが、
2010年以降は、個人商店から会社組織に転換しましたので、その運営の方法も変わります。
品質を通して収益も上げなければ会社は存続できませんので私より経営能力のある社長に交代している訳です。

 

 
さて、だれでも、より高次の価値を体現したいという、生まれながらの欲求を持ち、人間は自己実現を望むという欲求の5段階層(need hierarchy theory)を作ったのは心理学者のマズローで、50年くらい前に書かれた「完全なる人間」、「完全なる経営」などに記されています。
それらは、生理的欲求、安全への欲求、社会的欲求、尊厳への欲求、そして自己実現の欲求というようなピラミッドであらわされることが多く見られます。
しかし、どの段階で次の欲求に向かうかなど曖昧な部分もありますし、それらが複合していることも考えられます。

 

 
最終的な自己実現とは何か?というと難しく、会社などで自己実現してほしいというようなモチベーション教育なども行われますが、そういっている人が自己実現しているのか?という矛盾した面を感じてきました。
しかし、サラリーマン時代は、このマズローの影響を強く受けましたので、再度読み直すと、マズローの本の記述は体系化された書き方ではなく、かなり難しく感じます。
あまりにも完成されたかのような学説ですが、これまであまり正確に紹介されていなかったのではないか?もしくは私の認識不足?ということがわかります。
また、この本ではマズロー自身が、自己実現者の事例としてリンカーンなど、かなりハードルの高い偉人のような人を事例に上げています。

 

 

 

マズローの自己実現の定義のようなものは、本から読み取るしか有りません。
監訳の神戸大学の金井教授によれば、自己実現とは「自分がなしうる最大限のことをしていること(doing)から、自分が潜在的にそうなりたい状態になって行くこと、もしくはその状態になっていること(being)」ととらえています。基本的には自分の存在価値を示していくことで、長期的に模索したり探求するものと考えられます。

 

 

 

私は、開業セミナーでは
「既成概念にとらわれず、好きなようにやりなさい」
「他とは違うことを最低20は考えなさい」
「フランス人になれ(自分の意見、価値基準を持つ)」といい続けてきました。
さまざまな理由で、開業していく人の人生に影響を与えるであろう…..ことを
その時には強くは感じてはいませんでしたが……….
最近は自己実現してくれたのだろうか?……….と考えることあります。

 

 

 

堀口珈琲は、品質を通しおいしいコーヒーを生み出す、「探求者、技術者、案内者」ということを忘れないようにして自己実現の道を歩んでいる(being)ことをご理解いただけると嬉しく思います。

 

続く