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新年 その4・ピケティ「21世紀の資本」

2018年1月4日

論文を書くのに疲れ、年末年始は頭を切り替えています。
科学はデータや結果ら考えられる客観的な事実のみを考察します。
このことは、50年もの長い間、物事を主観や感性でとらえてきた私にはなかなか難しく、このような思考に慣れるのに時間がかかっています。
美術や文学や映画や音楽を糧にしてきましたので、記憶力と思考能力の低下しつつある中、年末から文学と科学とは異なるジャンル?の本を読み直しています。

 

 

 

ピケティのベストセラー「21世紀の資本」は、「富の配分は、今日最も広く議論されて意見の分かれる問題の一つだ。~~」からはじまり、データの無い論争に終止符を打ため、300年にわたるデータを解析し、格差の問題を論じています。
膨大なページの書籍で、経済学に興味のない人には難しいというか、参考にはなりそうもないとわ思いまが、米国で売れたのは、世界でも貧困と格差のある国ゆえでしょうか。
その後ピケティの師匠である、アトキンソンは「21世紀の不平等」という本を出版しています。

 

 

 

「民間財産にもとずく市場経済は、放置すると強力な収斂の力を持ち、民主社会主義や社会正義の価値観を脅かしかねない」とし、その論拠としてr>gの証明を試みています。
rは民間資本収益率>g所得と産出の成長率という関係が長期にわたり大幅に上回っていることが格差を生んでいるとしています。
r=gにはならないことを長期のデータから導き出しています。
これは、従来のグズネッツ曲線(経済発展の初期には貧富の差が広がるが、発展すると格差が縮小する)を覆すもので新しい理論を生み出したことに価値があるのだと思います。(日本の大企業の内部留保の構造も同じようなものと考えられます)
ピケティの理論は膨大な試料の積み重ねで、それを覆すのは大変な労力を必要とするでしょう。

 

 

 

 

グローバル経済の中で、富は広がり、発展途上国の生活水準も拡大しています。(例えばコ―ヒー生産地を見れば労働者の賃金は上昇傾向にあります)
しかし、その恩恵が先進国労働者には行き渡たらず、一部の多国籍企業幹部が高額の報酬を得ている米国などではトランプの台頭の要因の一つになっていると考えられます。
資本主義は発展により、富が行き渡ると仕組み(トリクルダウン)や考え方は、現状のアベノミクスのベースの考え方の一つです。しかし、現状は格差が拡大していると考えられ、論争は生じています。

 

 

 

結果として、ピケティは、教育のチャンスの平等性とともに、保有資産の透明化、巨額資産への累進課税の強化を説いています。経済収支はどこかの国が黒字になれば、どこかは赤字になるはずですが、数%はタックスヘイブンに隠匿されているともいっています。

 

 

 

但し、日本の格差は、男女の格差、正規雇用と非正規雇用の格差で、米国の1%の高額報酬者99%の一般労働者の格差構造とは異なりますので、ピケティの論理をそのまま当てはめることはできませんし、(ピケティ自信も、内容を疑問視して論争されるべきと述べています)
累進課税に対しては、国家の支配強化になるのではないか?
資本主義の競争のリスクを阻害するのではないか?
などの反論もありますが、この本を読んでいくと巨大資産についての課税は必要ではないかと思えてきます。
これらは、国家の政治、政策との関連性もあり、社会民主主義的政策(自由競争による弊害を政府が介入し
軽減させ、校正、機会均等、人権、環境保護などの政策を優先するなど)を国民が選択するのか否かということにもなりますが、西欧、日本などではなかなかうまくいってこなかった歴史的現実もあります。
最終的には、国民一人一人の問題に帰結するというしかないでしょう。

 

 

 

 

ピケティから学ぶ点は、経済のあり方よりも、300年ものデータを15年もかけ研究してきた情熱に驚嘆します。
あくまで深掘りしていくエネルギーです。
優れた研究は多くあるでしょうが、研究とはこのようなものという見本サンプルを見るような思いです。
反面、化学は、結果という事実に立脚しますので、社会科学とは異なる世界になりますが、データは力ということも気づかせてくれます。

 

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