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2018年2月21日

先日、日経MJに、国産コーヒーについて少し触れられていて、小笠原産を1日5杯限定930円で提供する店があるとのことでした。
年間200kgしか収穫できないようですので、この店の消費は生産量の10%くらいでしょうか?
また、「国内コーヒーの消費は増加し、2016年は472.535トンで過去最高だった(全日本コーヒー協会)」との記事がありました。

1.過去30年で3割以上増えた
2.健康志向の高まりもあり中高年女性の消費が増えている
3.コンビニで手軽に買える
とのことで、少子高齢化の人口減少で国内消費は減少に転しる可能性は高く、更に「国産ブランドなどの育成などを通し、一人あたりの消費量を増やす地道な取り組みが必要」とAGFの徳之島などで取り組みなども紹介しています。

 

 

 

しかし、このような記事は私が取材を受ければ全く異なる記事になります。

(1)「国内消費は増加していますが、コーヒー生産量は伸びてはいないので、需要が供給を超えることが懸念されています。」とつけ加えるでしょう。
過去30年で30%伸びたと書かれていますが、生豆のみの輸入量でみれば、1985年の231.193トンから2015年433.235トンで大幅に伸びていますし、アジアの生産国である、インドネシア、タイ、中国、フィリピンの消費量も増えています。生産と消費の構造的な問題も提示すべきでしょう。
そもそも、コーヒー生産は気象変動、さび病、生産地の人手不足、肥料や農薬代の高騰などの生産阻害要因がかさなり、簡単に生産増が望めないことの方が現状の問題です。

 

 

 

コンビニは.50.000店を超え手軽に飲むことができ便利ですので、コーヒー消費を拡大させます。しかし、価格が安いということは、優れた品質のものは生産できませんし、生産者の受け取る金額は低くなりますので、生産維持に寄与できるのか?については疑問符が付きます。
生産、流通と市場の構造的問題を解決するとは考えられません。

 

 

日本では、低価格アラビカ種やロブスタ種の使用が増加し、街中で飲むコーヒーの味のアベレージは低下しつつあると感じます。
1991年のバブル崩壊以降のデフレ、円安、価格競争など様々な国内諸問題が絡み合って、ディスカウント化の傾向も変わっていません。
個人的な見解ですが、20年前に比べ日本のコーヒーの風味は多様化し、スペシャルティコーヒー(以下SP)などの生産でおいしいものが増加した反面、20年前にはありえなかった、泥水のようなひどいコーヒーの流通も増えていると感じます。

 

 

逆にいえば、だから「コンビニのコーヒーの方がおいしい」と感じる方も多いのだと思います?したがって、現在は、コーヒーの風味の良し悪しの幅は、とても大きくなっていると感じます。
例えば20~30年前を、10点満点で3~7点程度とすると現在は1~10点の幅のコーヒーが流通しているという印象です。(個人的主観ですので悪しからず)

 

 

日本の消費者は、様々な品質のコーヒーに触れることができる素晴らしい環境にあると思います。それらが適切な価格で流通することが健全な市場だと思います。2000年以降は、少しずつSPが流通し始めました。これらは次第に先物取引価格に影響されない新しい流通価格を構築してきましたので、生産者への生活維持に寄与し、コーヒー生産に貢献してきていると思います。

 

 

 

現在、世界的にSP市場は拡大していると思いますが、日本は微増にとどまっている印象です。SCAJの調査では、全体の8%程度と推測されますが、伸び率は少ない傾向となっています。金融緩和のわりには、経済成長率は低く、物価上昇率は少ないため、ハイエンドのSP生豆の著しい価格上昇に日本市場が対応しきれなくなってきているのだと思います。

 

 

 

結果として、SPの品質、価格も多様化していますので、多くはほどほどのSPでお茶を濁すような状況ともいえるでしょう。しかし、堀口珈琲は、若きスタッフがSPの中でも、さらに差別化に取り組んできていますので、そのあたりをネットショップから感じ取っていただければと思います。

 

 

(2)中高年女性の消費増については、全日本コーヒー協会の「需要動向に関する基本調査」からと思いますが、(すみません手元になく確認していません)女性の飲用は確実に増加していると感じます。以前行っていたセミナーでも「抽出基礎」その上位の「カッピング」でも、女性が半数を占めるのは当たり前でした。そもそも、市場で家庭用コーヒーを購入するのは主には主婦などの女性であり、女性のコーヒー選択権は大きいと考えられます。

 

 

 

むしろ、若い男性、女性の方にコーヒーの魅力を伝えることのほうが急務ではないかと考えます。団塊の世代が、コーヒーを飲まなくなった時の受け皿がなくなってしまいます。スターバックスは、将来的にコーヒー需要が減っても大丈夫のように対処したのでしょうか?2011年にはロゴからcoffeeの文字が消えました。そのような結果なのでしょうか?大学生は、初めにスタバでコーヒーを選択するのではなく、「さくらストロベリーピンクラテ」などのメニューを試すようになっています。コーヒーのみで集客することをしていません。

 

 

 

しかし、住宅地の喫茶店のような「ネイバーフッド」も試しつつ、シアトルや上海の「リザーブロースタリー」などをみれば、コーヒーの本流をきちんと育てようとしていますので、スタバのコーヒー業界の影響力は巨大であると言わざるを得ません。

 

 

 

3.さて、国産のコーヒーについては、過去さまざま触れてきましたので、「沖縄コーヒー」などで検索していただければ、私の考えはご理解いただけると思います。まずは、国産コーヒーにロマンがあるということですね。日本人はここに引っかかります。

 

 

 

しかし、現実問題として、台風、潮風被害を避けるには、適切な防風場所、適切な土壌、ハウスなどが必要不可欠で、安定的な生産量のためには課題がありすぎます。
沖縄本島は、夏暑く、冬寒く、標高、土壌などを含めたテロワールがよいとはいえず、「国産、特殊、ロマン」という付加価値に対価を支払える人向けになるでしょう。宮古、石垣、徳之島にもわずかに生産がありますがあくまで少量です。沖縄本島で、コーヒーで生活をすることはできませんので、好きで庭や空き地に樹を植えている生産者は、20人くらいしかいませんし、2~3人は真剣に、栽培管理をしていますが収穫量は極めて少なく、沖縄本島内合算で年間10~20袋(生豆換算60kg/1袋)程度で、コロンビアの小農家1軒分程度でしょう。

 

 

 

現在栽培されている赤と黄色に完熟する2種のムンドノーボ種は、樹高が高いため風に弱く、栽培環境に適しているのか?もよくわかりません。また、風味が突出してよい訳でもありません。品種以前に収穫できるか否か?の方が問題です。

 

 

 

最近は、情報が整備され始めましたので、きちんと現場を理解し「防風林、ハウス、土質、肥料」などの対応をすれば効率はよくなりますが、3年での収穫量は少なく、北部では収穫まで4~5年かかる場合もあります。
また、チェリーの脱穀、パーチメントの脱穀などのまともな器具はありませんし、乾燥場所もきちんとしていませんので、根本的な整備を要します。
一部、沖縄コーヒー発展のために取り組んでいる方もいますが、資金や人材も必要と感じます。

 

 

 

6次産業として観光農園なども考えられますが?1日10杯と限定しても、収穫量を増やさない限り、1年間の使用量を確保できないことになります。

ですから、国産と偽ってブラジルコーヒーなどが混ぜられて販売されたりすることだけは防がねばなりません。

 

現状の栽培種の風味は、酸味は少なくブラジルコーヒーに近いです。
 

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