カレーにこのフルーツは合わないと感じてしまいました。
お互いの味がなじみません。
最近はペアリングという言葉がはやっていますが、いつごろからでしょうか。
10年くらい前でしょうか?その前はマリアージュという言葉が使用されていました。
コーヒーとケーキなどのペアリングをお客様に提案するのは、食事に会うワインを提案するようなものかもしれません。40年以上前、銀座のレカンに、「なけなしの金」で食事に行き、一番安いワインを注文した時に「このワインは合わない」といわれた時の「トラウマ」が今も残っています。
この教訓から、ペアリングは「あくまでお客様の好みや気分を勘案したうえでアドバイスすべき」と考えるようになりました。
堀口珈琲のケーキは、基本的には深い焙煎のコーヒーとマリアージュするものを作ってきましたので、
味がしっかりしたものにものになります。
チーズであればスフレタイプよりもNYタイプ、ガトーショコラなどもしっかりした味のクーベルチュールを選び濃厚な味になるレシピです。チョコレートのタルトなどは絶品ですし、オペラなどは東京で一番おいしいのではないかと思った時期もあります。
ショートケーキを作り、ガトーフレーズを作らないのはフランス菓子店ではないことと、私が生クリーム好きだったということがあります。そこで、生クリームにはこだわってきたわけです。
また、旬の時期にしかイチゴを使用しないのもささやかなプライドがあるからです。
パフェが昔からあるのも、生クリームとアイスクリームやソルベが好きなことからです。
あまりやりすぎるとコーヒー店ではなくなりますので、ほどほどのところーで止めているのは今でも変わりはありません。ケーキが支持されているのは、一つ一つのケーキに何らかのささやかなメッセージが込められているからで、それらを感じ取れるお客様がいるからだと思います。
最後に、フレンチやイタリアンの最後にはぜひコーヒーを。
あくまで、コーヒーが締めくくりには最適だと思います。