パパ日記

バブルの市場

日銀はお金を刷り、さらに株も買い支え、1980年代後半の土地バブル期の様相を呈していると言えますが、それらの事象は食の現場にも反映されているように思えます。

 

 
40年以上レストランで食事をしてきた者として、今はかつての高級店の価格を凌駕する店が当たり前のように多くなりました。
料理のみで一人2万以上でも満席の店が増え、2人で2万のワイン(多分この程度の店であれば2万は控えめな安いワインはとなります)を注文すれば税・サービス料を入れれば一人35000円になります。
またそれ以上かかる店も増えています。
円安ですので、インバウンドのお金持ちには安い価格なのでしょう。

 

 

 

これらとは別に飲み放題で5000円の店も増加し、2極化が進行しているように感じています。
したがって、オリンピックまではこの価格帯の店は増えていくと考えられます。

 

 

 

ホテルや旅館の価格も、昔のバブルブル期よりもはるかに高くなり、「一休などのサイトを検索すれば一泊10万以上の宿も多くみられます。土日と平日の差が極端に大きくなっているのも特徴です。

 

 

 

昔は週1回レストランで食事をしていた時期もありますが、最近は夜に街に出ませんのでディナーはまれです。
料理が高くなるということは、それなりの素材を使用し、創造的な料理であることが問われます。
スタンダードな料理であれば高い価格設定は困難です。
ですから、スタンダードな基本の料理や味を理解できない食べ手が増加してしまうという懸念もあります。

 

 

 

言い方は悪いかもしれませんが、「奇ををてらった」(江戸っ子は何となく皮肉れたところがあります)料理は、やや違和感を覚え、正しく良し悪しを判断する必要があります。味よりを見ための衝撃を優先した料理の傾向は2010年代あたりから目立ちます。

 

 
「料理は創造」ですので、オリジナリティは重要で、明確にシェフの美学を表現するものであればよいと思いますが、オリジナルはその人間の歩んできた歴史から生じるものであり、本質やまっとうさを食べ手が見極める必要があります。その相互作用からよりよい料理は生まれると考えます。
料理は、創作から消滅の「一瞬の美」の領域に向かい始めているように感じます。
それは一つの深化ですが、スタンダードなもの=基礎的なものがなくなってしまうのを寂しと感じてもいます。

 

 

 

人間の究極の欲求は美ともいわれますので、昨今の美術館ブームはある程度理解できます。
日本の美術館の数は世界でも多く、各都道府県、各区に至るまでみられ、また個人や企業のコレクションの美術館も多くみられます。
世田谷には、砧公園内の「世田谷美術館」及びその分館の「向井潤吉アトリエ館」「清川泰司記念ギャラリー」「宮本三郎記念美術館」があり、さらに民間のものがいくつか見られます。

 

 

 

そのため、日本中で膨大な展覧会が企画されています。
各美術館の学芸員は、新しい企画に頭をひねらなければならないでしょう。
ちなみに、2017の入場数の多かったものは、京都国立博物館の「国宝」、東京国立博物館の「運慶」など、国立新美術館の展「草間彌生展」「ミユシャ展」あたりでしょうか?

 

 

 

 

新国立は地元というか、自宅から30分程度ですので、よく行きます。
中にはレストランもありますが、乃木坂で食事もできますので。
そういえば、最近は「リストランテ山崎」さんもランチは予約が取れません。
夜はやや高いのですが日本屈指の素晴らしリストランテです。
ワインリストは必見ですが、価格は高いのでご注意。

 

 

 

話の脈絡がなく飛びますがご容赦。
展覧会には誰が行くの?
圧倒的に女性そして団塊の世代が多いです。
女性誌にはこの手の情報は必ず乗りますし、団塊はリタイアしていますので時間があります。まだ市場は、この辺りを中心に動いていると感じます。

 

 

 

 

沢田研二のファンは圧倒的に女性ですが過去の人気はなく、逆に同世代の小田和正の人気には衰えが見えないどころか増加しているようにも感じます。
70をすぎてこえれだけの動員力には、それなりの要因があるはずです。

 

 

 

10年前は95%が女性でしたが、それ以後若い女性もふえています。ここ数年は男性が増え、全体の20~30%(会場を見渡しての個人的感覚)を占めるようになっています。
コンサート自体に何となく恥ずかしがっていた団塊の男性(スタンディングして一体になるようなライブ感覚は、会社の役職にあったのサラリーマンだった男性には違和感があったはず)が奥さんに連れられてくるような印象です。
はにかんで、まだ自分を出し切れないようないこちなさをはらんだ男性も見受けられます。しかし、きてみるとまっとうな歌詞とアルトの様な声、そのファンへのサービス精神には、見習うべきものが多くあります。

 

 

 

 

ここにも、女性が男性よりも有意に市場をリードする側面が見られます。
ファンは、展覧会などに行く人にかぶるような印象ですので、誰かマーケティングの側面から分析してみてください。
市場調査して統計解析すれば立派な研究になると思います。
ここにも、女性が男性よりも有意に市場をリードする側面が見られます。