パパ日記

これまでの学会活動-5(2018)

日本食品科学工学会「コーヒー生豆の成分と官能評価によるスペシャルティコーヒーの品質指標の作成」口頭発表 2018年8月(東北大学)

 

 

6月に次いですぐ8月の発表は厳しいものの、フィニッシュが見え始めてきたので、ここでまとめておく方がよいとの判断で参加しました。東北大学は地下鉄の駅を出ると目の前。規模の大きな学会で多くの各教室で発表が行われ、民間企業の方も多く参加していました。

 

 

 

北大学ではパワポでなく、書画カメラ(Over Head Camera, OHC)で、A4の紙の原稿をスクリーンに投影します。パワポを作成しプリントしました。
時間制限の中で、ペーパーを取り換える動作が入るため機器から離れ、動きながら話すことができないデメリットがありますが、モノも投影できますので便利モノとは思いました。

 

 

 

コーヒー関連の発表は、「香りの関係」などで若干みられるもののほとんどなく、各企業の研究者はもっと表に出てほしいと感じました。当方の発表は、どういうわけか満席で立っている方も見受けられました。

 

 

 

3回目ですので、何とかなりましたが、実験内容はアナログです。
最近の研究は、大学も各企業の研究室も3000∼4000万の専門機器を駆使しますので、複数の研究者が共同で行うことも多くみられます。
多くの場合、多くのデータをとりますが、それをまとめる方法は主成分分析などになり、傾向を読み取れますが、研究の新規性、独自な視点などそこから先は簡単ではありません。
LC/MS(液体クロマトグラフィーと質量分析を行える、さらにLC/MS/MSなど)での研究発表が主流で、ケミカルではたんぱく質、核酸等の分析ができます。
コーヒーのアフターハーベストにおける有機酸、炭水化物、揮発性物質、糖アルコールなどの分析論文も見られますので、精製方法の適切な方法は、今後ケミカルからの観点から整理される可能性は有ります。問題は、官能との相関も見ていかねばなりません。
研究者は風味がわからない人が多いため、このような研究には、個人レベルではできず、多くの研究者がかかわることになるでしょう。

 

 

 

近赤外線分析も多くの試料を分析できます。
分析データを蓄積し、気候、標高などの地理的条件が生み出すコーヒー特性から、物理的評価や官能評価を簡略化しようとする論文も見られますが、官能評価との相関が簡単ではないように思えます。分析データをうまく活用すれば、分析の簡略化はできるとは思います。

 

 

 

但し、3年という限られた期間で実験結果を検証し、答えを出すにはデータが多ければよいというわけではありません。実験回数はn=5(5回同じ実験をする)ですので、サンプルが50でも5種の実験で各5回ですと1250回の実験が必要になります。
理化学的実験は、労力はかかりますが、5感で試料に接するプロセスがありますので、これまで見えないことが見えてくるメリットもあります。
また、今更このようなローテクな実験を、研究者は行いませんので、研究の隙間も生じていると考えています。

 

 

 

 

昼は学食。初日夜は、交流会で夕食は済ませ、翌日の発表のデータ整理にあてました。
2日目の夜はLCFの仙台メンバーと会食。(活動日記に記述済)