パパ日記

アラビカとロブスタ

アジアの生産国の収穫量は、ベトナムが最大で29.500、次いでインドネシア10.902、
インド5.840と続きますが、その他の生産国はかなり少なくなります。

パプアニューギニアが、734、タイ500、ラオス475、フィリピン203です。
中国、東チモール、ミャンマーは、ICOに未加盟で正式データはありません。
(2017年収穫量・in thousand of 60Kg bags)

 

 

 

 

一方これらの生産国の消費量は、経済発展に伴い年々増加傾向にあります(20171/18)
Indonesia4.700 , Philippines3.000, Vietnam2.500, india2.350, thailand1.300, Lao,150。
日本は7.600~8.000の間くらい、中国は2.00~3.00の間くらい、韓国、台湾は不明。
中国は、2020年には3.000袋くらいなるであろうと予測されます。
いずれにせよ、アジア圏の消費拡大は大きく、またロシア、ユーロ、米国も拡大傾向にあり、近い将消費量が生産量を超える懸念をぬぐいきれません。

 

 

 

 

ブラジルのコニロン(ロブスタ種)の生産量は増加中で、またベトナムはほとんどがロブスタですし、インドネシアもスマトラマンデリンやスラウェシを除くと多くはロブスタ種です。
世界の生産量の40%はロブですので、市場では様々な品質のコーヒーは混在しています。
アラビカとロブスタの味の違いの根本は酸味になります。
もちろん、ロブスタには雑味や渋味も伴い、麦を焦がしたような重い味です。
同じコーヒーとはいえ、別物の飲み物です。

 

 

 

ベトナムでは、ロブスタが当たり前で、コンデンスミルクを入れて飲みます。
現地の湿気の中で飲むと、このくらい甘さと苦みと重さのインパクトが必要なのかもしれません。
ブラジルのコニロンは国内で消費され、輸出はほぼありません。

 

 

 

 

20年前、イタリアのナポリの老舗のホテルでは、ロブスタをネルドリップで入れていました。
これが、意外に飲めて、日本でも試しましたがおいしいものにはなりませんでした。
当時は、スペシャルティーコーヒーなどの流通はなく、美味しいコーヒーなんてわからず何でも試した時期です。
日本の某外資系ホテルは、おいしいビュッフェなのですが、今でもイタリアのロブスタを使用していますので
フィニッシュは最悪です。

 

 

 

シアトル系コーヒーが浸透する前は、エスプレッソ=イタリアのものでした。

イタリアでは、ロブスタの輸入量が多く、エスプレッソは、特別な焙煎会社以外はロブスタ主体でした。
私の、開店時の29年前、日本ではエスプレッソが何たるか?知る人はほぼいませんでした。
そもそも、私が柴田書店のエスプレッソセミナーを開催していたのですから、急速な進化です。
アメリカでもおなじようなもので、2000年あたりでもエスプレッソはまだまだ浸透していませんで、
カフェラテがスペシャルティコーヒーとさえ言われた時代です。

 

 

 

 

1996年にスターバックスが、日本に来たときは、エスプレッソは量が少ないということをお客様に必ず説明していました。
その後タリーズが日本に来た時も、エスプレッソは少量と必ずお客様に伝えていた時代です。
これが何年か続いていたように記憶しています。
スタバはロブスタは使用していませんでした。
当時は、ブラジルのナチュラルも欠点豆の混入が見られるため使用していませんでした。
ブラジルの一部のウォッシュトは使用していました。

 

 

 

私の開業時に、インドネシアの湿式(ウォッシュト)のWIBというロブをエスプレッソに使ったことがあります。
レストランにエスプレッソを卸すのに、何もわからなかった時ですから。
一般的なロブスタは乾式(ナチュラル)で、当時のWIBは高級品でした。
しかし、味がスカスカでしたので、すぐに使用をやめました。
それから、イタリアに毎年のように行き、最終的にイタリアの豆の品質が良くないことがわかり、
エスプレッソは特別なものではなく、30秒という早い抽出のシステムということを理解しました。

 

 

 

ロブの生産農家も多くあり、低価格品としての需要があり、必要であることはわかりますが、
さすがに全生産量の40%超えは市場を壊していくと感じてしまいます。
最近の工業用コーヒーにも多く使用されますが、さらに安いコーヒーエキス原料も使用されています。

 

 

 

 

アラビカとロブスタはともにコーヒーなのですが、自家受粉と他家受粉のちがい、染色体数の違い、
栽培条件の違いもあり、理化学的な数値の違いもあり、違う飲み物のように思えてなりません。