パパ日記

テロワール-4  ワインとコーヒーとミネラル

話の脈略がなく、思いついたまま書いていますのでご容赦を。

 

 

 

 

コーヒーは、赤道を中心に北回帰線と南回帰線内の熱帯地方が栽培の適地ですね。
熱帯は平地から標高の2000mくらいまではコーヒーを含め様々な農作物が収穫されます。
嗜好品ではカカオや紅茶も栽培されています。
しかし、ワインは緯度が南北30 ~50 °で、平均気温は10~16℃程度が栽培適地ですから、
一応日本は北海道から九州まではいります。

そのため、冷涼な北海道にワイナリーが生まれ始め、長野を抜いて日本で2番目にワイナリーが多い場所となります。

 

 

 

 

 

葡萄のおいしさは日本がダントツのNo1ですね。
ワインもよいものができて不思議ではないのですが、食用用とワイン用は異なります。
シャインマスカットをワインにしたら1本いくらになってしまうのでしょう?

 

 

 

 

 

大まかには、緯度で、日射量、日照時間、気温が変わるでしょうから、できるwineは異なります。
一般的には、緯度が高ければ冷涼ですので酸味やミネラルに特徴あるワインができ、緯度の低い地域は果実味や濃縮感がでますので、北緯48°のブルゴーニュと南仏では濃縮感がかなり違います。
本来ブルゴーニュやシャンパーニュは、ワイン栽培の北限に近く、デリケートな酸味のあるワインができますが、最近の温暖化などの気候変動が影響し、濃縮感のあるワインが増えています。
これは、10年、20年前と比べ明らかに異なります。

 

 

 

 

 

 

ソムリエがよく「ミネラル感がある」と言いますが、よくわからない味ですね。
無機質とか灰分ともいいます。
一般的には、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄などで、マグネシウムは苦味、ナトリウムは塩味、カリウムは酸味ともいわれますが、人間の舌で区別するのは困難です。
研究室では「ミリQ 」という純水を使用していますので、これとマグネシウムやカルシウムの多いミネラルウォーターと比較するのがいいかもしれません。

ミネラルは、ソムリエ自身もかなり人によりとらえている味の感覚が違うのではないかと感じます。
わかっているようでわかっていない味の一つだと思います。

 

 

 

 

コーヒーの灰分量は、生豆、焙煎豆も変わりません。
実験としては単純で、小さな「るつぼ」に粉2gを精秤して入れ、電気炉で200℃2時間、その後500℃で5~6時間かけ白色灰になるまで燃焼させ、また精秤します。
大体灰分量は3~4%くらいですが、コーヒーの場合はカリウムが多く、次にカルシウムなどです。
ワインもカリウムが多く含まれます。

 

 

 

 

 

焙煎したコーヒーで、「カリウムが多い」などとテースティングできませんね。
ミネラルが多いというのは、若干の塩味も含めてとらえているのかもしれません。
これは、もともとの土壌の影響のみではなく、肥料の影響を受けるかもしれません。

 

 

 

 

Wineの酸味もとらえ方は難しいですね。
コーヒーはクエン酸が主体ですが、ワインはリンゴ酸や酒石酸が多くみられます。
したがって、ワインとコーヒーの酸味はかなり異なります。
いずれセミナーをおこなったら、有機酸のテースティングもやりたいとは考えています。

 

 

 

 

 

さて、濃縮感ですが温暖であれば、葡萄は早く熟しますので、甘味が増し、ワインは濃くなります。
すでに植えられて歴史を刻んでいる産地の品種とテロワールはもともとよい相関にあるはずです。
これらの熟したワインは、もともと濃いのですから多少の差異があっても許されるかもしれません。
(こんなことをいうとまたボルドー派には叱られそうです)

 

 

 

やっぱり、熟成したワインは、素晴らしい。
コーヒーには、ワインのような熟成はあり得ませんので。

つづく