パパ日記

抽出初級・ネル

セミナーサイト http://coffee-seminar.com/

昭和の時代は、やぐらにハーフポンド(≒225g )もしくは1ポンド(≒450g)のネルをセット(クリップで止めるなどする)し、200~250gもしくは450~500gの粉で抽出する店も多くありました。

ペーパードリップによる一杯抽出が普及する前の時代です。
本来ネルは100g程度以上の粉で抽出すると、濃厚なおいしい風味を出せます。

ただし、大量のコーヒー抽出液は、その後酸化する可能性が高く、新鮮さや繊細さは減少します。また、提供時の加熱による風味低下が予測できますので、できるだけ短時間に提供する必要があります。


ネルの抽出は、ペーパーより風味に与える変数が多く、その香味を安定させる為には、高度な抽出技術を要します。
①ネルの形状(縦に深い、横に広がる)、厚み(生地の質)、起毛(片起毛、両起毛)などで抽出速度が変わるため、夫々のネルの特徴をつかんだうえで抽出する。

②濡れた状態のネルを使用します。タオルに挟み水分をどの程度とるかにより抽出速度が変わりますので、ネルの状態を一定にする必要があります。

③ネルの使用回数によりネルにしみ込んだ微粉が影響し風味が変わるため、使用回数による抽出速度を微調整し抽出する必要があります。

④コーヒー豆は、焙煎日からの日数で風味が変化していきますので、経過日数と①~③のネルの状態の中で適切な抽出をする必要があります。

ネルドリップで、同じ風味を表現するためには、常に微調整をする必要があります。

ということで、本日のセミナーは終了しました。
そのうちまたネルをやります。