パパ日記

堀口珈琲を楽しむ方法-2 水の2

結果・最終的に家庭での水の使用は?

結果として、コーヒーの生豆及び焙煎豆の品質が良ければ、水道水でもミネラルオーターでも風味はよいといえます。しかし、水質による違いは生じますので、よりおいしくいただくにはいかに留意してください。

官能的には、ミネラルが少ない水(軟水)の方が、コーヒーの純良な成分をより抽出していると考えられます。風味が柔らかく、きれいな酸味があり、飲みやすいコーヒーになるといえます。また、それらの官能評価は、味覚センサーの結果と相関性がみられます。純水が最も酸味がきれいで豊かなのは、コーヒーの品質の良さとの相性もあると推測しています。

1.水道水は、やや重い風味になり、酸味がやや弱いような印象です。蛇口に活性炭などの浄水器をつける方がよいと思います。(今回は、浄水器をつけた水の実験をしていませんが、我が家のマンションでは、年に3~4回水道の蛇口に取り付ける浄水器のカートリッジが送られてきます。)

2.市販されているミネラルウォーターの場合は軟水(「サントリーの天然水」」「いろはす」「ボルビック」など)がバランスのよい風味になりますので、コーヒー抽出には向いていると思います。一般的には、米や、出汁、野菜を煮る、魚を煮るなどは軟水が向くといわれます。

3.硬水(「エビアン」「コントレックス」)は、微妙に苦味が増し、味の余韻が重く、液体に濁り感を感じる印象があります。飲料用にとどめた方がよいでしょう。この重みを一見ボディ(コク/粘性)と勘違いしますが、なめらかさとは異なります。また酸味は出にくくなります。まだ実験はしていませんがアミノ酸(旨味)も出にくいかもしれません。料理では肉の煮込みなどでは、余分なタンパク質をアクとして出すとモ言われます。パスタも硬水はコシが出るため塩を加えます。

4.pH8以上のアルカリ性の水(「温泉水99」、「日田天領水」など)は、口あたりが柔らかく飲みやすいので、私は日常的に飲んでいますが、コーヒーでは酸味が出にくくなります。水としてはおいしいと思いますが、湿式コーヒー抽出には向かないとい思います。しかし、酸味の少ないブラジルなどの乾式コーヒーをこれら水で抽出すると違う味になる可能性があるので試してみたいところです。



味覚センサーと官能評価との相関性については、9月出版の本をご覧ください。

注)
欠点豆=未熟、発酵、欠け豆などで風味に負の影響を与えるためない方がよい。堀口珈琲の場合、現地でのハンドピック、さらに、横浜工場で生豆およびその後の焙煎豆も選別機にかけます。そして、最終チェックとしてハンドピックします。したがって、試料の抽出液は、極めてクリーンな抽出液になります。

常温=水温は、夏もしくは冬の気温で変わります。室内で計測しますので15℃から25℃前後で計測しますが、簡易pH計を使用していますので、数値は水温による影響を受けます。できるだけ、抽出後の温度が25℃前後のところで計測するようにしています。

ミリQ=超純水装置で作られた水です。大学の研究室では、実験器具類は洗剤で洗浄後、20回水道水で洗い流し、ミリQですすぎ乾燥庫で乾燥させます。

中挽き、熱水、浸漬法はそれぞれの項目で説明します。

つづく次回はメッシュ(挽き具合)