パパ日記

イエメンの本当の香味-3

学生時代に熱を浴びられた多くの作家の中にアルチュール・ランボーとポール・ニザンがいます。

ランボーは1870年代に「地獄の季節」を書いた後にアラビアを放浪し、アデン(イエメンの町)でフランスの武器商人に雇われ、エチオピアのハラーに駐在し、その後エチオピアで商人として人生を送ることになります。

他方ポール・ニザンは、当時イギリス領であったアデンに一時期滞在し、フランスに帰国後共産党に入党し反戦、反ファシズム運動を展開しました。
彼の著作「アデン・アラビア」は1960年代後半の日本の学生運動の中で一部学生の熱狂的な支持をえました。

イエメンの首都はサナアですが、現年齢60歳以上の仏文学好き及び学生運動体験者には、アデンこそがイエメンを象徴する地名ともいえます。

また、モカ港はエチオピアにも近くコーヒーの積み出し港でしたので、世界中のコーヒー業界人にとっては象徴的な地名となっています。
コーヒーのことをモカということもあるくらいで、日本では昔からモカブレンドがブレンド名として流通しています。
しかし、現在このモカ港は、繁栄した昔の面影はなくさびれた田舎町のようです。