パパ日記

コーヒー品種 2 カネフォーラ種

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胃も少し落ち着いてきましたのでタンパク質を。
筋肉が落ちてしまいますので、蒸し野菜と蒸した豚肉60g程度。




アラビカ種のSPのみを販売していますので、常にそのテースティングを行っていますが、たまには異なる品種についての風味についてもお話しします。

 


カフェフォーラ種(ロブスタ種)は、全生産量の40%程度を占め(生産年度により変動する)、日本では、生豆輸入の35%前後を占め(年度で変動)、低価格レギュラーコーヒー、工業用製品、インスタントコーヒーなどに使用されています。
イタリア、フランスなどでは、エスプレッソコーヒーに多用されています。


このまま、価格の安いカネフォーラ種の生産が増加し、ディスカウント市場が拡大していけば、コーヒーの風味は相対的に低下していき、市場でのコーヒー離れを生み出す可能性も否定できません。

反面、耐病性があり生産性がよいカネフォーラ種は、世界の需要拡大の中で欠かすこともできません。それに依存する生産者も多くいます。したがって、当面の課題としてはアラビカ種との共存、品質の向上が問われると考えられます。
個人的には、アラビカ種7:カネフォーラ種4程度の生産比率が望ましいと考えています。

しかし、今後予測される気候変動は、この低地の高温多湿に適応するカネフォーラ種の産地の減産も予測されますので、問題は単純ではありません。

そのため、2010年以降CQI  (Coffee Quality Institute )は、カネフォーラ生産国の農家支援プログラムとして、カネフォーラ種(Robusta)の品質について、ウガンダコーヒー開発局(UCDA)と共同で研究し、2019年には標準的なグレーディング指標を提示しました。
Fine Robusta Standards and Protocols は、SCAのアラビカ種の規約に準じて作成されています。(略)


但し、この評価基準は、あまり現実的ではなく、かつ評価が難しく、個人的には異なる評価基準を設定しています。1.ロブ臭、2.苦味、3.濁り、4.コク、5.鮮度です。(評価基準は省略)

カネフォーラ種は、量産種で、収穫時点で欠点豆の混入がみられ、 乾燥工程もよいとはいえず、品質の良い豆はまれです。また、低地での栽培が多く、酸味はほぼ感じません。
但し、ごく僅かですが、標高1000m程度の高地で栽培(表)され、欠点豆の混入も少ない豆も見られます。

主な生産地は、ベトナム、ブラジル(コニロンと呼ばれます)、インドネシア(WIB:washed)、インドネシア(AP-1)、ウガンダその他タンザニアなどにもみられます。WIB以外はNaturalですが、ベトナムなどではごく一部の農園でパルプドナチュラルも試されています。

アラビカ種の風味と比較すれば、その評価は低くなりますので、カネフォーラ独自の評価基準が必要と考えます。しかし、多く使用されているにも関わらず、市場には、品質に対するリクエストは少ないのが実情です。

図のカネフォーラ種(ロブスタ種)は、官能的には鮮度が落ち気味で比較的コクが低下したスカスカの風味です。よいカネフォーラ種とはいえません。

アラビカ種とロブスタの比較:味覚センサー