パパ日記

コーヒー精製 1 コスタリカと甘味1

コーヒーセミナー  https://reserva.be/coffeeseminar

オープンカレッジは、3回目を終了しました。
堀口珈琲のファンの方が徐々に増えてきてうれしいです。
20名で実施していますので、3~4人の学生に手伝ってもらっています、

8月のセミナーは、抽出基礎が6/8、テースティング初級5/8でまだ空きがありますが、テースティング中級は定員です。

セミナーの後は、シチリアのショートパスタ。イタリアっぽい味ですね。

 

果肉除去したあとのパーチメントにはミューシレージ(ゴム状のぬめり)が付着していますので、それを水槽(発酵槽)で自然発酵し、水洗いして乾燥する方法がWashedです。
対して、コスタリカでは、水の使用を減らす意味もあり、果肉除去後、機械で付着しているミューシレージをとり、パーチメントを乾燥します。

コスタリカのオークションロットの一部をテースティングしました。
堀口珈琲の購入したコスタリカ産のティピカ種は素晴らしいですが、このコスタリカのマイクロミル産のティピカ種もよい味です。

 

 

ミューシレージは、糖質ですのでその成分がパーチメントの中の生豆にしみこみ甘味が増すと考えられるのでしょうか?ハニーコーヒーといわれます。

この方法を、コスタリカのマイクロミルの農家が実践していますが、風味の甘味を際立たせると考えるのは早計だと思います。

スペシャルティコーヒーの生豆には7~8%のショ糖が含まれています。その量は、生産国の生産地区でも異なりますが、アミノカルボニル反応(メイラード反応)により生成される化合物により甘い香りなどを感じます。

また、ミューシレージの排水の中に、培養可能な16のバクテリア,11の酵母,4つの糸状菌などの微生物叢(microbiota)を特定した研究もあります。

ミューシレージを付着したまま乾燥するブラジルのパルプドナチュラルやコスタリカのハニープロセスの場合は、これら微生物叢などの要因が絡み合い、アミノカルボニル反応の前駆体として最終的な抽出コーヒーの風味に影響を与えていると考えます。

数千万円する高度な分析機器であるLC/MS( Liquid Chromatography – Mass Spectrometry:液体クロマトグラフ (LC)と質量分析計 (MS)を接続した機器)などにより多くの分析がなされていますが、生豆の品質にどのような成分がどの程度の影響を及ぼし、最終的なコーヒーの風味にしているのかについては十分に解明はされていません。

このコスタリカのハニープロセスがコーヒーの甘味を生み出すのかもしれませんが、発想としては単純すぎるかもしれません。

Washedの場合でも,適切な条件下であれば長めの発酵時間の方が好ましいとしている報告もあります。Sophia Jiyuan Zhangらは清掃の行き届いた発酵槽などで衛生的で適度な処理が伴えば,メイラード反応の主要な前駆体としてのグルコース,フルクトースなどの炭水化物,アスパラギン酸やアラニンなどのアミノ酸およびコハク酸などの化合物を生成するとしています。

この分析は、Washedのあるべき正しい方法について示唆しています。