パパ日記

コーヒー精製 5 エチオピアのWashedとNatural 2

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ソーセージと野菜のペンネ

店の味に近づけられるか試してみました。
お店では、旨味と甘味が強かったので、どんなだしを使用したのでしょう?

崩したソーセージ、トマト、インゲン、タケノコ、ズッキーニ、玉ねぎを炒めて野菜出汁で少し煮て、ペンネと絡め、オリーブオイル。
ペンネが大きく、他の具とのバランスがややよくないですが、こんなもんでしょう。

一般的には、WashedはNaturalよりも透明感のある抽出液となり、シャープな感覚、クリーンな風味となり、酸味は強調されます。例えば、エチオピア産の生豆の場合、Washedの方がNaturaよりも糖類(特に二糖類のショ糖=グルコース(ブドウ糖)+フルクトース(果糖)が結合したもの)は多い傾向もみられ、官能評価でアフターテーストに甘味を感じることが多くあります。もちろん総酸量も多いですね。

糖質は、糖類である単糖類+二糖類+多糖類を包括した言葉として使用されますが炭水化物(炭水化物+植物繊維)の一部です。

炭水化物は多いのですが、コーヒー抽出液に、それらがすべて抽出されるわけではありません。水溶性の植物繊維が多少抽出されますが、味への影響はありません。但し、テクスチャーに影響があるかもしれません。

また、糖質の一部に糖アルコールなどもあります。糖アルコールは、微生物の栄養源にはなりませんので化粧品や医薬品で使用されます。甘味は、生豆に含まれているショ糖量がある程度の判断基準になると考えます。

オリゴ糖は、単糖類が3つ以上結合したもので、低カロリー甘味料として腸内環境を良くしますので、コーヒー業界の某社の研究対象になっています。

2109-20Cropのethiopia  味覚センサー

 

グラフは、エチオピア・イルガチェフェ産のSPのWashedとNaturalです。WashedはNaturalより酸味が強いことがわかります。

イルガチェフェのWashedであれば、柑橘果実の優しい酸、レモンティ、ブルーベリー、さらに特徴がある場合はピーチやメロンのニュアンスも感じ取れます。Naturalであれば、微発酵臭、チェリー、ストロベリー、赤ワイン、カカオ(濃縮感のあるベリー系)などのニュアンスを感じることもあります。

結局 イルガチェフェのWashedとNaturalによる風味の違いは何で生じるのか?というと、酵母による発酵や加水分解などによるのでしょう。

同じSPでもProcessingにより風味の個体差が生じますので、SCA方式で80~84点、85~89点、90点以上と3段階くらいの評価幅があり、多様過ぎて一筋縄ではいかないということです。

今のところはまだ、官能評価(テースティング)は品質判断に重要で、それらを補完する意味で様々な客観的な数値が必要ということでしょう。