パパ日記

Brazil 3 ブラジルのコーヒー生産地と風味 2

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冷たいスパゲティは、麺が細い方がいいですね。 カッペッリーニ(Capellini) がなかったので太いスパゲティで。野菜出汁でスパゲティ50gを茹で、トマト1個に枝豆、オリーブオイル、塩コショウに蜂蜜。
短時間で作るのでトマトの切り方が雑です。

ブラジルの主要生産地である、MINAS GERAIS (Sul de Minas、Cerrado、Matas deMinas)、SAO PAULO、ESPIRITO SANTO、PARANA、BAHIAなどの産地間の風味差はコロンビア産などに比べると小さく、テースティングは難しいといえます。

しかし、そうは言っても、今年の大学院生のテーマは、「ブラジルの品種、地域(標高、土壌、気候)、精製方法などの要素がどのように風味に影響を与えるのか?」を検証することです。

但し、最終的には、栽培管理から乾燥までの人為的な作業工程が大きく関与するとも考えられ、単純ではないでしょうね。しかし、いろいろやってみないとブラジルの風味の解明にはなりません。

アラビカ種の生産地域はミナスジェライス州とバイア州に集中し、エスピリトサントはアラビカ種とロブスタ種(コニロン)の両方を生産しています。
伝統的な生産地であったサンパウロ州とパラナ州は生産量が減少し、日本入港も激減しました。

 

 

MINAS GERAIS
Sul de Minas
ミナスジェライス州の生産量は、ブラジル全体の48%(19/10 Crop)を占め、スルデミナスの生産量も多く全体の30%近くを占めます。広域にわたり、中規模の農園が多くあります。標高は平均950mで年間平均気温は22℃。
栽培品種は、カトゥアイ、ムンドノーボ、イカトゥ、オバタンなど多種です。これまでのテースティングでは、酸味よりもコクに特長のある印象で、ブラジルの平均的な風味と認識しています。
Naturalの精製が多い生産地で、SPの場合でも日本入港後のSCA方式では80~83点程度のものが多く見られ、85点を超えるものは少ないとみられません。

Cerrado de Minas
標高800~1.200m程度で、ダテラ農園など機械収穫の大規模農園があります。Natural、Pulpud Natural(PN)、Semi Washed(SW)の精製区分もありますが、PNとSWの区別は明確ではありません。
ムンドノーボ、カトゥアイ、ブルボンなどの品種が植えられ、多くはややコクのある風味です。一般的には、SPでも個性や特徴的な風味のコーヒーは生まれにくく、平均的な風味と考えます。但し、一部の農園で、かろやかな酸味、しっかりしたコク、甘い余韻で85点~86点程度の素晴らしい風味のコーヒーも体験しています。単一農園という概念のなかった2001年から、多くの農園の豆を使用してきました。

Matas de Minas
大西洋側の起伏のある地域で温暖な気候といわれます。生産農家の80%が20ha以下の小農家(ブラジルの場合)となります。
森林もある珍しい産地で、一般的なブラジルの風味とは異なるコーヒーができる特殊な産地です。2010年以降に日本に入荷するようになりましたが、生産量が少なく購入はほぼ見送ってきました。ムンドノーボ、カトゥアイなどの品種。

Calmo de Minas
ミナスジェライス州の南に位置し、標高は1000m以上の農園が多く、ブラジルにしては傾斜が多い産地です。
無名のコーヒー産地でしたが、2000年代後半以降のCOEで多くの豆が入賞し世界的に有名になりました。何度も農園を訪問しつつ、この地域の農園の豆を継続して購入しました。柑橘果実の酸味があり、スルデミナスやセラード地区とは風味が異なります。欠点数も少なく素晴らしいコーヒーでしたが、ある時期から品質の低下が目立ち始め、使用の見送りが続いています。

BAHIA
ブラジル北東部のバヒアのコーヒー生産は新しく、1970年代です。
比較的標高が高い産地です。酸味より、コクのある甘いコーヒーができる印象をもっています。カトゥアイ種が多く植えられています。
ピアタン市の農園の豆は、ミナスジェライス州とは異なる風味で、一時期よく使用しました。

SAO PAULO(Mogiana)
ブラジルの歴史的生産地で、主要輸出港のサントス港があります。
標高900~1.100m程度で、平均気温20度の穏やか。起伏のある地形ですが、ブラジルの平均的な風味の範疇に入るという印象です。
SPの流通量は少なく最近は優れたコーヒーに遭遇する機会は減少しています。ムンドノーボ種、カトゥアイ種が植えられています。

PARANA
霜害で壊滅的な打撃を受けた古い生産地で、昔の生産量はなく、現時点では日本入港がない産地です。一時期某農園のオバタン種を輸入しましたが、日本への輸入ルートの確保が難しく数年間のトライで終了しました。

ESPIRITOSANTO
ブラジルで2番目に大きなコーヒー栽培州ですが、ロブスタ種(コニロン)の生産が77%を占め、アラビカ種は23%程度です。サンプルを多くテースティングしてきましたが、使用経験はほとんどありません。SPの流通は少ない印象です。

 

味覚センサー

セラード、モジアナ、エスピリトサント、カルモデミナスのSP試料を味覚センサーにかけました。各属性に差異が見られ、風味差がある可能性が示唆されました。今後、別の試料を使用し、理化学的な分析とテースティングを行ってみます。

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