パパ日記

コーヒー嫌気性発酵(anaerobic)3 パナマは嫌気性発酵(anaerobic)の最前線

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パナマのElida やSophia農園のゲイシャ種は素晴らしい風味で、最近ののBest of Panamaで
SCA scoreで95点のつく事例も見られるようになりました。


この図は、2019-20クロップのBest of Panamaの豆を味覚センサーにかけたものです。
elidaはASD、esmeraldaはcarbonic macelationで4種共に90点以上のスコアがついています。、
この時のelidaの落札価格は、総量100lbsで、1ポンドあたりWashedが400ドル/lb、Naturalは251.5/lbでした。

図から、どのコーヒーが一番よいかは判断できませんが、4種共によい風味であることは予測がつきます。個人的にはsophiaに最も高い評価をしました。

昨年あたりから、パナマにおいてはASD(anarobic slow dry)に対する関心が強く、この考え方のベースには数年前にゲイシャ種をNaturalにしたことの延長にあるように思えます。

2020-21のBest of panama は9月に行われます。
その前にelidaはプライベートオークションを開催しました。
この時のロットはほぼASDで、パナマの一部の農園が急速にASDに舵をきっていることが読み取れます。落札価格の高値は、Washedが190ドル/lb、Naturalが652ドル/lbでした。
落札者の多くは、新興勢力で、日本からの参加者は極めて少なくなっています。

この中に、5.5lbs(≒2.5 kg)しかないSpecial Editionがあり、このロットは4.100ドル/lbで落札されています。あまりに量が少ないのでこのような高値になったとは思います。
日本円でいくらになるか計算してみてください。
このロットは、あまりに量が少なく、タンクに入れてanaerobicにできませんので、ビニール袋にチェリーを入れ真空にして発酵を促しています。

elida農園のanaerobicの豆をテースティングしましたが、一言でいえばすべてanaerobicフレーバーです。
同じような風味になってしまいます。
現状の方法では、風味の安定性を確保することは難しいと感じます。
味覚センサーにもかけましたので結果は そのうち公開します。

コーヒーの精製プロセスにおける発酵方法の多様化により、風味を変える方向に向えば、コーヒーはワインや日本酒のような世界になりますね。
私のような、テロワール、ティピカ種主義者は、コーヒー業界で必要なくなるかもしれません。

さらにF1で苗木を作るようになれば、なおさらです。