パパ日記

コーヒー嫌気性発酵(anaerobic5)について 学会で発表 

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日本食品科学工学会という学会で「コーヒー精製プロセスにおける好気性発酵と嫌気性発酵の風味差」という内容で発表をする予定です。かなり大きな学会ですが、コロナのためオンラインとなります。
3日間開催され、1日の発表が12会場で並行して行われます。
加入している、大学、研究機関、企業も多く、発表数も非常に多い学会です。

 

私の発表は、官能評価と味覚センサーの相関性からみたもので、まだ初歩的な段階です。
一部理化学的な分析はしていますが、論文にするには、さらなる成分分析が必要になります。

ただ、多くの食品関連会社の研究者、コーヒー関連企業の方も、コーヒーが発酵系のプロセスを経ることを知らない方が多いと推測されますので、コーヒーの風味の多様性を知ってもらいたく行います。

論文にするには、試料のanaerobic fermentationの詳細なプロセスが必要です。
また、かつ何を分析すればよいのかについては、風味を確認してから考える必要があります。

 

精製に伴う1次加工となりますので、消費国としては微生物に関する分析はできません。
あくまで生豆、及び焙煎豆に含まれる成分などからアプローチするしかありません。

主には酵母の働きがカギになりますので、アルコール発酵とその後の酸の変化あたりがキーワードとなると考えます。

また、香りも好気性発酵とかなり異なりますので、香りからのアプローチも重要です。
好気性に比べLimoneneが多いことは見えてはいますが、香りを説明するのは難しく、単純ではありません。

昨年(2020年)からのテースティングでは、エーテル臭の有無とその強弱がポイントでしたが、今年(2021年)は異臭が少なくなり、微発酵とまろやかさ、酸の質と甘味などがポイントとなりそうです。

 

堀口俊英(ほりぐちとしひで)
2002 年堀口珈琲研究所設立
2019年東京農業大学・環境共生学博士課程卒業
著作:「The Study of Coffee」新星出版・2020年その他

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