パパ日記

コーヒー嫌気性発酵(anaerobic)4 コスタリカのマイクロミルは品種を重視

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コスタリカは大量生産の農協システムが発展していましたので、2000年初めのスペシャルティコーヒーのムーブメントには対応しきませんでした。生産者は農協にチェリーを売り、農協は大手商社に生豆を販売するという仕組みでした。

ICAFE(Institute del Cafe de Costa Rica)は2000年中盤から、消費国に対し、生産地区による品質や風味の違いについてのセールスプロモーションを行いましたが、当時のグァテマラのANACAFEの後塵を拝していました。

そのような中、15年程前からコスタリカのexclusive社は、小規模の生産者とのつながりを重視し、マイクロミルの育成を図ってきたといえます。しかし、生産者は、自ら果肉除去し、パーチメントを乾燥しましたが、初期においてはこの小ロットの売り先の確保が課題であり重要でした。

このマイクロミルの数は、2000年の8程度から、2005年には30に増え、2010年には140と急速に拡大しています。そして、現在は200を超えると推測され、従来の大手農協組織は変革を迫られていると考えられます。

この当時、少量生産のマイクロミルの付加価値のある生豆は、一部でboutique coffee(ブティックコーヒー)といわれましたが、今でもこの言葉は使用されています。

 

このexclusiveが、6月にプライベートオークションを行いました。
50サンプルを入手しましたが、パナマのようなanaerobicの精製らしき豆は3種程度しかありませんでした。
コスタリカの生産者は、従来のcaturra種のみでなく、標高の高い産地に適応性のある品種を多く植えました。
ティピカ種、ゲイシャ種、SL種、エチオピア在来種、ビラサルチ種などをハニープロセスなどで精製しています。もちろん一部Naturalもありますが、発酵臭はなく優れた品質のものでした。

パナマの生産者が、差別化のため付加価値を求め、Naturalやanaerobicに向うのとは対照的に、コスタリカのマイクロミルの生産者は、高標高の環境と品種の適合性の模索に向っているように思います。

 

グラフは、コスタリカの4品種のWashed(表示はWhite Honeyですが、ぬめりは90~100%近く除かれています)を味覚センサーにかけたものです。
素晴らしい品質と風味です。

カトゥーラ種は、高標高産に優れた酸味を感じることがありますが、ややコクは弱めです。
ティピカ種は、バランスよく、コクもあり、かつクリーンで、産地との適応性は高いと感じます。
SL種は、コスタリカでもケニア産のような強い酸味が出ます。
ゲイシャ種は、バランスよくまとまっている印象ですが、パナマ程のキャラクターは出にくいかもしれません。

コスタリカのマイクロミルには、2000mの環境でティピカ種やSL種やcaturra種などをWashedタイプの精製で作り続けてほしいですね。