パパ日記

標高3 論文2 標高差とコスタリカ産の風味

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コスタリカのOrosi(標高1020~1250)とSanta María de Dota(標高1550~1780m)の標高差のある2つの産地を比較した論文があります。

産地の環境要因として、高度と品種、降雨と日陰、精製処理などがあり、それらが風味に影響を及ぼすと考えられますが、それを裏付けることは簡単ではありません。この論文は、標高、斜面、収量がコーヒー品質にどのような影響を与えるかについてセミカルデータから考察しています。

官能的には、Orosiがフローラルで、Dotaの方がチョコレートフレーバーがあり、酸度も高いとしています。
この2つのテロワ―ルから生まれたコーヒーについて近赤外線分析(NIR)をし、カフェイン、トリゴネリン、脂肪、ショ糖、クロロゲン酸の含有量を出していますが、官能評価とは十分に相関していないとしています。

2005年の論文ですので、官能評価はSCA方式ではありませんので、
SPが試料としてセレクトされたかは判断できません。

 

この分析結果から品質を明らかにすることが難しい原因は、試料として選択した豆がコスタリカの標準的な豆と推測されるからです。SPとCOを比較しない限るデータの差は出にくいでしょう。

そこで、堀口データの30種のコスタリカ産のSPの近赤外分析データの平均と比べました。
SPの標高は、1875mから2100mで、この論文の生産地区より高標高です。
そのため、脂質量に差が見られ、脂質量(Lipid)と標高の相関性はとれそうです。
また、総酸量に関しても分析すれば差異は生じると考えますので、相関は取れるでしょう。

しかし、カフェイン、トリゴネリン、ショ糖量、クロロゲン酸については大きな差はみられません。
SPの場合でもショ糖以外は差が出ませんので、カフェイン、トリゴネリン、クロロゲン酸は、コーヒーの品質基準にはできないでしょう。

 

論文は「Effects of slope exposure, altitude and yieldon coffee quality in two altitude terroirs of Costa Rica, Orosi and Santa Marıa de Dota」Cirad / ICAFE / IICA-PROMECAFE( Inter-American Institute for Cooperation on Agricultur)の研究(2005, Journal of The Science of Food and Agriculture)です。