パパ日記

コーヒー嫌気性発酵(anaerobic) 6 Elida農園

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Elida農園のプライベートオークションが先日終了しました。Elidaは、The Lamastus Family Estatesの3つの農園の中の一つで、他にはEl Burro Estate、Luito Estateがあります。

ロットのスコアは公開されていません。スコアを表に出すことがよいとは思いませんので賢明だと思います。

Anaerobicの豆に関しては、評価基準が明らかとはいえませんので評価は難しいと思います。
SCA方式で80点以下から90点までの間で評価は割れる可能性はあります。
現時点では、参加者が自ら評価、判断すればよいと考えます。
個人的な評価としては、強い発酵臭やアルコール臭がなければ、SCA方式で82~85前後で見ておけば無難と考えますが、見解は様々でしょう。高い点数をつける人もいれば、80点をつけない人もいるかもしれません。

それにしても、5.5ポンドのASDに対し4.100ドル/ポンドの落札価格は極めて異常な高値で、よい傾向とはおもえません。
このロットは、標高2030mのAguacatilloというポイントの豆で、Brewers Cup 2021 championship(大会は中止)ように作られたものでした。あまりに量が少ないためチェリーをビニール袋にいれ真空状態にしています。

 

大まかには以下の精製方法がみられます。

Hand washは、果肉除去したパーチメントを水の入ったタンクに入れ、手でごしごし洗います。少量のためそうするのでしょうが、ミューシレージがどの程度とれているのかはよくわかりません。一般的なWashedのようなクリーンさは感じません。むかし、東チモールで、寒くてミューシレージが自然発酵でとれないときに、手でごしごしやった記憶があります。

Honeyは、ミューシレージのついたまま乾燥しています。

ASDは、タンクにチェリーを入れ、16℃の保管場所で144時間発酵させ、その後天日で24日間という長い期間で乾燥しています。

Carbonic Macerationは、密封タンクにチェリーを入れ16℃の保管場所で144時間発酵させた後天日で乾燥します。

これらの方法の詳細はわかりませんが、風味は全体的に微発酵臭(anaerobicフレーバー)です。
Anaerobicでも、アルコール臭はほとんどありませんが、微細な日本酒のニュアンスがかすかにあるものもあります。
特徴としては、酸味の質が変化しているように感じます。
好気性の場合の柑橘果実のクエン酸の酸味というより、微細な酢酸や乳酸などの複合的な酸味を感じます。
また、全体的に甘い余韻が残るのも特徴といえます。

官能評価と同じように風味にはばらつきがみられます。
最終的には。anaerobicは、酵母の種類や量、外気温、時間などの影響を受け、同じ条件で行うことは難しく、風味にバラつきが生じやすいといえ、風味の安定性のためには課題が多いと考えます。