パパ日記

コーヒーテイスティング 5 語彙4 SENSORY LIXICON OF COFFEE FOR JAPANESE CONSUMERS, UNTRAINED COFFEE PROFESSIONALS AND TRAINED COFFEE TASTERS

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コーヒーセミナー

 

日本でも多くの研究がありますが、農研機構の早川文代さんの研究が先進的です。
食品の官能評価(主に分析型)を専門としています。種々の食品の官能評価法を開発したり、官能評価用語体系(フレーバーホイール)を作成したりしています。フランスパンの官能評価も有名です。
また、最近はテクスチャーの研究も多く、2018年に日本食品科学工学会で「種々の食物名からみた日本語テクスチャー用語の特徴づけ」という研究ノートなどがあります。

また、立命館大学の新設学部である食マネージメント学部の國枝里美教授も食品開発のためのフレーバーの官能評価および香粧品開発における匂いの生理心理効果などを研究しています。もともとは香りの専門家です。
先日の日本食品科学工学会のシンポジウムで「フレーバーの特性を表現するための官能評価」という演題で講演されていました。

お二人は、食品関連の展示会などで講演もされていますので、何度か顔を出しています。
その他にも多くの専門家がいますが、SPコーヒーは未だ未開発の分野と言えますね。

 

日本のコーヒー関係者たちが早川文代氏と作成した語彙集もあります。
52種の市販のレギュラーコーヒーから24種を試料とし、カリタKDM-300RGで中挽き、粉100gに対し1700mlの水を使用し、ブルマチックコーヒーメーカで抽出したものを10人のパネリストがテースティングしてあげた用語です。

おそらくコーヒーでは初めての試みで、その実績は素晴らしいものです。
但し、2010 年の研究で、
①SPに特化したものではないため特徴的な良い風味の語彙が少ないこと、
②香りの表現には負の言葉が多く含まれていることなどコマーシャルコーヒーには使用できますが、
SPに対応するにはやや難しい面もあります。

FUMIKO HATAYAWA et.al /SENSORY LIXICON OF COFFEE FOR JAPANESE CONSUMERS、UNTRAINED COFFEE POFESSIONALS AND TRAINED COFFEE TASTERS/Journal of Sensory Studies 25(2010) 917-939

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堀口俊英(ほりぐちとしひで)
2002 年堀口珈琲研究所設立
2019年東京農業大学・環境共生学博士課程卒業
著作:「The Study of Coffee」新星出版・2020年その他
論文:「有機酸と脂質の含有量および脂質の劣化はスペシャルティコーヒーの品質に影響を及ぼす」日本食品保蔵科学会 2018
論文:「コーヒー生豆の流通過程における梱包、輸送、保管方法の違いが品質変化に及ぼす影響」日本食品穂応科学会 2019
論文:「コーヒー生豆の品質基準に関する研究」の本食品科学工学会 2021