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コーヒーは、収穫から生豆にするまでの間にある程度の発酵を経ています。
発酵とは、酵母(yeast),バクテリア(bacteria)がコーヒー果実の糖と酸をさまざまな酸、アルコール、二酸化炭素、その他の化合物に変換することです。
但し、これらから生じる発酵臭は、腐敗臭に近ければコーヒーの風味として好ましくないと考えられてきました。この発酵臭のどこまでを良しとするかについては難しい問題で、国際的なコンセンサスは形成されていません。
コーヒーは、酵母の影響を受けますので、農園内の野生(自然)酵母以外の酵母を添加することにより、風味を作ることができると考えるのは当然の帰結でしょう。
しかしながら、このような方法は、1次加工になりますので、行っていいか?は別問題です。
この、野生酵母以外に新たに酵母を添加して風味の違いを研究する実験はすでに行われています。
Catuai種を乾燥前に、Saccharomyces cerevisiae(パン酵母)、Candida parapsilosisおよびTorulospora delbrueckiiの3種の酵母を、別々に直接噴霧して試料を作り、焙煎したコーヒーをHPLC、GC-MS(ガスクロマトグラフィー)で分析し、官能評価を行っています。
カフェイン、クロロゲン酸、トリゴネリンの濃度は異なり、クエン酸とリンゴ酸の高い濃度が示されています。また、合計217の揮発性化合物が同定されたとしています。
焙煎後、Saccharomyces cerevisiaeを噴霧したサンプルにキャラメルフレーバーの揮発性化合物が検出され、Candida parapsilosisを噴霧したサンプルにはフルーティーフレーバー(リンゴ、チェリー)化合物が観察され、SCAA方式の官能評価で高い評価であったとしています。
しかし、個人的見解としては、実際にキャラメルやフルーティな香りを官能的に感知できたのか?
疑問は残ります。さらに、実際の香りと官能評価に相関性があるのか?についても疑問が残ります。
論文を読む能力が乏しいのはいかんともしがたく、そもそも頭が働きません。
酵母とか発酵とかは専門分野ではありませんので疲れます。
大学の醸造学科で分析してもらえばこの分野で少し先に進めますが、そもそも日本では果実が入手できません。沖縄で知人に頼み収穫してもよいのですが、かなりの量がないと実験は難しいですね。