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コーヒーセミナー
先日、イタリアンにおけることは、リストランテとトラットリアの違いについて簡単に触れました。
「リストランテは、料理、ワイン以外に、店の雰囲気、サービスの質、カトラリー、食器、テーブルクロス、椅子・テーブルなど様々なところに気配りがされている店になります。対してトラットリアはカジュアルになります。」
但し、イタリアとフランスのレストランで、は食文化に微妙な差異があり、イタリアではトラットリアでもクロスは敷かれますし、場末の店でもテーブルに紙が敷かれますが、フランスのビストロではクロスや紙を敷く店はほとんどみかけません。
日本でも、店主のこだわりのある店は多くみられ、閉店した代官山の「パパアントニオ」は、高級店ではありませんでしたが、アイリッシュリネンを使用し、シルバー(ナイフとフォーク)にもかなり気を使っていました。但し、食器は厚手の業務用の物を使用し、スタイルが確率されていました。25年間で、最も多く通った店で、いまでもここのボンゴレビアンコとオッソブーコの味は忘れられません。
30年間この仕事をしてきて、多くのイタリアレストランの閉店を目撃してきました。
その話は後日に譲るとして、最近は、参宮橋の「レガーロ」は、ロイヤルコペンハーゲンの食器を使用していますので、小倉シェフの料理感と共にこだわりを感じます。
今一番よく行く店は、秘密にしておきますが、「パパアントニオ」や西麻布にあった「カピトリーニ」につながるスタンダードな味の延長線上にあるトラットリアでうまいです。ここのビステッカ・アラ・フィオレンティーナ(Tボーンステーキ)は、日本に出店した多くのニューヨークのステーキレストランのTボーンより、価格が安い分おいしいと感じます。但し、恵比寿に出現したNY最高峰といわれる「ピーター・ルーガー」にはまだ行っていません。
またまた、話がそれました。
一般的には、資本がないかぎり、高級さを演出することはできませんが、その本質を理解しようとすれば「参考になること」は多く、「学習すること」は多くあります。
料理の原価率は当然高くなりますし、人件費もかかります。そこで、原価の低い中で仕込みに時間を割いたり、工夫をしたりします。店の空間の雰囲気を工夫したり、センスのいい家具を探したり、店のコンセプトにあう食器をそろえたり、ひと味違うサービスを考えたり、山のようにやることはあります。
飲食店や喫茶店の本質的な仕事は考えることです。お客様は変化し、時代は変化していきますので、毎日考えることが仕事です。
以前行っていた開業セミナーでは、そのあたりを徹底して伝えたつもりです。
なんでこんなことを書く気になったかというと、早朝の散歩のかえりに、某コーヒーショップチェーンによりましたが、直営とフランチャイズの差が歴然としていたからです。
この感覚は、一般の人にはわからないかもしれません。
しかし、どのような店であっても、入店したら店の広さ、テーブルと椅子の数と質、メニューの種類と価格、スタッフの数、厨房の広さ、味などをチェックしてしまう私のような者には気になります。
これは1990年の開業前に、多くのコーヒー店を回り、ノートに平面図を書き、どんな店にしようか?考えた名残でもあります。ノートはまだどこかに残っているかな?