パパ日記

負の相関性 コスタリカのSL種

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味覚センサーは、20年前でしたらそのデータに基づき論文が完結しましたが、現在ではやや無理が生じると考えます。その主な事由の一つはセンサーでは強度が示され、質的側面を見ることが難しいからです。

したがって、官能評価を補完するものとして見ればよいと考えています。
逆に、官能評価のみでは、客観性が担保できませんので味覚センサーなどの機器のデータで補完するという考え方も成り立ちます。
高額で高度な分析機で分析し、統計解析しても、コーヒーの場合はなんとなくすっきりしません。

したがって、官能評価と味覚センサーの結果を組み合わせ、その相関性を見ていくのも一つの方法と考えます。
さらには,理化学的な実験数値も組み合わせれば、コーヒーの風味を多面的にさぐることができます。

したがって、最終的にコーヒーの品質、風味を見るには、官能評価+味覚センサー+理化学実験がよいとは思いますが、日常的に行うのには無理があります。

また、それらの結果に相関性が出るとは限らず、コーヒーの風味研究は難しいといえます。
例えば、図は、コスタリカのマイクロミルのSL種の精製違いの豆です。

官能評価的には大きな差異はありませんが、味覚センサーではかなりの差が生じています

センサーのacidityは、Naturalやanaerobicにかなり高く出ていますが、官能的にはこれほど差あるとは思えません。両者の相関性は認められません。
したがって、本来は、Washed、P Natural、Natural、anaerobicは区分してセンサーにかけること、また官能評価の基準をWashed とNaturalとanaerobicと別々に作成し、明確にしておくことが問われます。

コーヒーの風味は、複雑ですので、品質、風味研究の難しい所です。

 

この味覚センサーの結果と官能評価には、正の相関性はみられず、r=-0.8146の負の相関性がみられます。
つまり、味覚センサーの数値が高ければ官能評価が低くなる、官能評価が高ければ味覚センサーの数値は低くなるという望ましくない結果です。

 

また、Anaerobicの場合、センサーが何を感知しいているのかがわかりませんし、理化学的な数値の差異も出にくく、難しい豆です。いまのところ、どこからアプローチし、何を分析すればよいのかまだわかりません。
分析データを多く取っていくしかありません。

 

もしくは、センサーの方に問題があり、センサーの機能性のチェックをする必要があるかもしれません。

数千万円する高額で高度な分析機を使用しても、同じようなジレンマに遭遇してしまうのがコーヒーです。
とはいっても、答えは出さないと研究にはなりませんので、多くのデータから解析を試みます。

来年には、論文を2報くらい書きたいのですが、パワーがあるかどうか?