パパ日記

F1ハイブリッド STARMAYA種-1 (再掲載)

コーヒーセミナー  https://reserva.be/coffeeseminar

 

一般的には、雑種植物から採取した種子は、親植物と同じ特性を持ちません。 これはsegregation(分離)と呼ばれ、収量、耐病性、品質、その他の何らかの農業的特性が失われます。したがって、 品種はクローン繁殖によってのみ繁殖し、信頼できる 種苗 業者から購入する必要があります。

アラビカ種の場合、遺伝的距離が近くさび病などに弱いという遺伝的な脆弱性を持っています。したがって、さび病・害虫などが発生した場合、ほとんどのアラビカ種が一気に消滅してしまう可能性があります。

そのため、HdeTとCatimor種の交配種としてAnacafe14,Costa rica95などの品種が作られ、Sarchimor種との交配種としてMarsellesaなど多くの品種があります。しかし、単一の品種としてはあまり見ませんので風味はわかりませんが、大まかにはCatimor系の風味と推測されます。

また、WCRは、新しい品種の開発に取り組み、多くのF1品種が開発されています。

 

 

しかし、遺伝的に安定していないコーヒーのF1ハイブリッド種は、種子から増やそうとしても子孫に同じ さび病への耐性や生産性、風味特性など の遺伝情報を伝えられないため増やすにはクローンに頼らざるを得ません。

コーヒーの場合、各国の研究所などで、F1の種子を大量に作るには、除雄などで自家受粉しないようにしたり、F1種を組織培養しなければなりません。したがって、これまでは、大量にF1品種だけを生産するような仕組みはコーヒー業界にはありませんでした。生産者は信頼できる種苗業者から苗木を手に入れなければならないということがネックとなっていました。

F1ハイブリッドで、優れた風味を持つ品種としてCasiopea種やH3種などがありますが、ほぼ流通していませんので、テースティングしたことはありません。

Casiopea種やH3種は、カトゥーラ種とコスタリカのカティエ(CATIE)に保存されていたエチオピア品種との交配種で、カップクオリティがよく非常に重要な品種といわれます。
フランス国際農業開発研究センター (CIRAD) 、中央アメリカ各国コーヒー研究所ネットワーク (PROMECAFE)、そしてコスタリカの熱帯農業研究教育センター (CATIE) の共同研究により開発されたF1ハイブリッド種です。

https://varieties.worldcoffeeresearch.org/

 

2001年に、 コスタリカの種子研究所でもあるCATIEにおいて雄性不稔のアラビカ種が発見されています。その後、新しいさび病抵抗性品種であるMarsellesa種と交配し、ニカラグアでの生産テストの結果、Starmaya種ができています。

スターマヤ種は、前述したF1の問題を解決するべく開発された品種で、マルセレイサ種(サルチモール種とスーダンルメ種の交配種でさび病耐性が高く、カップクオリティに優れた品種)とエチオピア品種による交配種です。

雄性不稔木の樹をF1種の片親とすることで、この雄性不稔の木に実るチェリーは自家受精することなく、他の樹の花粉で確実に受精が行われる事でF1品種を生産する事ができるということになります。

難しいですね。私の頭では十分に消化できません。
「Starmaya:The first Arabica F1 Coffeeybrid Produced Using Genetic Male Sterrility」とう論文がありますので、興味のある方はどうぞ。