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コ―ヒーセミナー
久しぶりに雪が降りました。
箱年の温泉で富士山を眺めていました。
開業し30年の時を経過し、かつ会社の実務から離れていますが、コーヒーに対する思いはいまだ持続しています。
昔からの店舗のお客様、またカフェ、喫茶、レストラン、自家焙煎店などのお客様以外に、多くの新しいお客様が増えていますが、
お会いする機会がほとんどなく申し訳なく思っています。
しかし、堀口珈琲の基本理念は変わらず、愚直にまっとうな仕事をしている会社だと思いますので、皆様にも継続してご愛顧賜われば幸いです。
堀口珈琲研究所は、優れたコーヒーを提案し、コーヒーのおいしさを実践的に伝えていくことを使命とし活動しています。
活動内容は、①セミナーの開催、②大学でのコーヒー研究、③本の執筆、④学会での発表及び論文作成などです。
またコーヒー関連協会での活動などもあります。
セミナーの開催
コロナ禍の中、縮小しつつも休まず継続してきました。多くの方々のセミナーにご参加いただき感書申し上げます。
2022年も状況を見ながら継続したいと考えています。
セミナーでは、テイスティングこそが「コーヒー学習の基本のき」と考え、様々なコーヒーをテイスティングし、風味の良し悪しの判断基準を提示しています。
現状のセミナーは、①抽出初級、②テイスティング初級、③テイスティング中級ですが、機会を見つつ④テイスティング上級を実施したいと考えています。
テイスティング上級「味覚開発訓練と評価基準考察 10種のコーヒーを比較」
1.酸味(Acidity)の強弱と質/pH4.8~5.2、柑橘系とそれ以外
2.きれいさ(Clean)の意味と風味差/欠点豆、酸価、過酸化物価
3.コク(Body)の評価基準と風味差/脂質量、標高差
4.甘味(Sweetness)の評価基準と風味差/ショ糖量、砂糖水溶液、
5.発酵(Fermentation)の評価基準と風味差/過完熟、乾燥工程
6.三点識別テスト(Triangulation)/3つのコーヒーの中で1つ違うものを探す
7.その他
大学での研究
東京農業大学の国際食料科学科の研究室に在籍しています。週に1~2回顔を出す程度で、自分で実験することはほぼなくなりました。
毎年学生にテーマを与え、実験を依頼しています。
実験結果は卒論となりますので、その作成まで責任を持ちます。
研究室での基本研究は、生豆及び焙煎豆成分の理化学的数値(pH、滴定酸度、総脂質量、酸価(Acid Value)、
過酸化物価(TBARS)、ショ糖量、アミノ酸量及び組成など)の分析です。
それらの数値と官能評価と味覚センサーとの相関性について統計解析し、考察しています。
このデータが蓄積されることにより、新たな官能評価方法を構築することが最終目的です。
この分野は先行研究がありませんので、あと3年程度は続けたいと考えています。
本の執筆
今年は、伸び伸びになっている①「コーヒーのテイスティング」の本を出したいと考えています。
ここで、SPの過去から現在までの品質変化についてテイスティングを通し解説します。
また、若い読者も含め、初心者対象とし、できるだけかみ砕いた②「やさしいコーヒー本」の出版も予定しています。
論文執筆・学会発表
2019年から2000年まで、国際的なオークションロットなどのテイスティングをし、味覚センサーにかけてきました。
ある程度データがそろいましたので「官能評価と味覚センサーの相関性に関する研究」で1編を書ければいいなと考えています。
さらに理化学的数値を評価基準のベースにした「新しい官能評価方式」で1編考えていますが、気力が持続するか?が問題です。
論文が無理でも学会発表はします。
最近の食品関連のケミカル分析研究は官能評価に目を向け始め、分析と官能の両面から検証しようとする動きがでてきています。
但し、コーヒー業界は、アカデーに対するアプローチが極めて少なのが実情で、残念です。
続く