'BLEND'OGRAPHY

PRIMAVERA 2022

PRIMAVERA 2022

Released:2022.3.2 – 4.4
 
Categoly:SEASONALS “ PRIMAVERA ”
 
Concept:Harvest
 
Artists:Haruka Shin

 

春の香気に満ち溢れた
可愛らしさと妖艶さ

 

CONCEPT
ブレンドコンセプト   


 

春、徐々に暖かくなり、木々は緑に花は芽吹きはじめ、桜が咲き、ふんわりとあまからくなった風の香りとともに目に映る景色は彩を持ちはじめます。収穫される作物は、香りが強く瑞々しく、柔らかさの中に密度があるような、そんな味わいのものばかりです。

今回のブレンドコンセプトは【Harvest】。
季節から受け取れる様々な恩恵を表現したブレンドを創りました。

はっきりと感じられる苺のような香りに、柔らかな口当たりと絹のような滑らかな質感。瑞々しく明るく華やかな柑橘果実の風味を感じさせながら、ほのかにフレッシュハーブのような爽やかな苦みが差し込みます。軽やかながらも密度のある味わいです。 日数を置くことで複雑さと妖しげな甘みが徐々に際立ち、熟成酒のような円熟味も感じさせます。

柔らかで瑞々しく繊細な苦みを感じさせるこのコーヒーの味わいは春の香気に満ち溢れ、可愛らしさと妖艶さを双方持ち合わせた印象が、どこか昼夜でイメージが異なる桜の多面性をも彷彿とさせます。千変万化の散りゆく春を愛でるように、どうぞじっくりとご賞味ください。

 

 

WORK
ブレンドができるまで   


 

「イエメンのニュークロップ」
そう聞くだけで、私の心は少し弾んでしまいます。

イエメンはエチオピア同様歴史の古い生産国で、そこはかとなく感じるユニークかつ複雑無二な味わいから、風味の潜在力はずばぬけているはずだとずっと心の奥で思い続けていました。そんな思いとは裏腹に、イエメン国内は情勢が落ち着かずクリーンなコーヒーにもなかなか出会えなくなり、近年においては内戦続きで入港さえも滞ってしまうという事態に陥ります。

半ばあきらめかけていたその期間を経て、2020年、数年ぶりにようやく1種類のイエメンが私たちの手元に到着し、復活の前兆を予感させ、ついに翌年2021年11月に4種類ものコーヒー豆が到着します。

それは、あまりに衝撃的な香気を放っていました。

ナチュラル精製とは思えないクリーンさ、先端の精製技術をもつ中米にも引けを取らないほどの透明感。いつものイエメンらしいハーバルでスパイシーな風味をもちながら、柑橘、メロン、トロピカルフルーツを思わせる濃縮された甘みを感じさせます。 質感にも厚みがあり赤ワインのような豊かな芳醇さも持ち合わせた複雑な、複雑な、味わい。

今回のプリマヴェーラブレンドは4種類の中で、最もユニークで爽やかさが印象的だったイッブというコーヒーを使用しました。新しい香味を主軸に据えたので「ちょっと尖っちゃったかなー……」とも少し思いましたが、すべてのコーヒーラバーズに飲んでいただきたい、いや、是非経験していただきたいブレンドです。

イエメン【イッブ】の爽やかさと複雑さを主軸に、ホンジュラス【アデリニータ】の熟した柑橘のニュアンスや清々しさ、グアテマラ【サンタカタリーナ農園カンパメント】のいつも変わらぬ実直な味わいを組み合わせて春の香味を表現しています。

今は、他のイエメンはどう活かしていこうかと、次に創るブレンドなどをわくわくしながら考えはじめているところです。

そして、この素晴らしいコーヒーを前にして「私たちを魅了する珈琲とは、他人を惹きつけるブレンドの香味とは、いったい何なのだろう」と初心に立ち返ったような心持ちになりつつ、一人のコーヒーラバーとして胸がいっぱいになっています。

 

 

MATERIALS
素材のご紹介   


 

1、イエメン「イッブ」

粉に挽いた瞬間から苺のような甘い香りが広がります。クレソンのようなハーブの印象。柔らかな口当たりとシルキーな質感。メロンのような甘く爽やかなフレーバーも感じられます。完熟果実の印象もありつつもドライな印象も兼ね備え、グラッパのようなニュアンスを感じさせる、とにかく複雑な風味です。贅沢にも主軸に使用し、春の複雑さを存分に表現しています。

 

2、ホンジュラス「アデリニータ」

軽やかなボディにシルキーな質感。甘夏のようなフレーバーから爽やかさが感じられます。味の密度が高く、濃縮感を感じさせるコーヒーです。 イッブの複雑性に軽やかさや果実感を補完し、爽やかな印象を引き立てています。
 

3、グアテマラ「サンタカタリーナ農園 グランレゼルバ カンパメント」

クリーンな口当たりに、柑橘の果物を思わせる瑞々しい酸。ほのかにヘーゼルナッツのような甘みを感じさせます。透明感に優れ、余韻が長く心地よいコーヒーです。密度高く複雑味わいの2種を、持ち前のバランスの良さとクリーンさでまとめあげています。

 

 

ARTWORK
アートワーク   


 

PRIMAVERA2022

 

【Harvest】というコンセプトを受け、カラフルで心躍るイメージが膨らみました。
日本の四季はグラデーションのように移り変わりますが、冬から春への変化は比較的顕著で、特に“風”の形が変わったな、と感じます。
冷たく身体に突き刺さる冬の風から、柔らかく身体を撫でるように通り抜ける春の風。
実、花、太陽、そして、風。自然界に“有機的な曲線”が溢れる季節が春であり、ブレンドコンセプトである【Harvest】のイメージに合う造形であると考えました。

手前の大きな曲線は桜の木が重なり合う様子をイメージ。
後ろの小さな曲線はコーヒーチェリーと葉を連想する色合いに。
背面のグラデーションは味わいから受け取れる“妖艶”な一面を演出したく、紫からオレンジのグラデーションになっています。
これらのモチーフが重なり合い奥行きのある構図では、日数を置くことで変化する本ブレンドの味わいと、堀口珈琲の味づくりへの探究心を表現しています。

このブレンドの先には、どんなコーヒーの世界が待っているのでしょうか。
プリマヴェーラブレンドが新たなコーヒーの世界の入口になるよう、祈りを込めて。

 

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