パパ日記

カフェレスジャパンと自家焙煎店 6月27日講演

https://reserva.be/coffeeseminar  珈琲セミナー

6月27日から開催されるカフェレスジャパンで毎年講演していますが
今年は 6月28日の13時から行います。
場所は微t九サイトです。
「コーヒー市場の現況とこれからの珈琲店及び自家焙煎店の在り方」についてという内容になります。

 

自家焙煎店は、店内に小型焙煎機(3kg、5kg、10kg程度)を設置し、主に焙煎豆を販売している店をいいます。
家庭ユーザー向けに焙煎豆を100gもしくは200g単位で販売しています。
2010年以降は、スペシャルティコーヒーの扱い比率が高くなる傾向が見られます。

 

(第1次ブーム)
1990年頃から緩やかにに増え初めました。それまでの自家焙煎店は、自店のコーヒーのために焙煎をしていましたので
自家焙煎店というような名前になったものと推測されます。
私の開業は1990年で、家庭用に豆を販売する店の走りとなります。
したがって自家焙煎店という名前は使用せず、ビーンズショップと称しました。
このころは、ブームといえるような状況ではありませんでしたが、この業態の下地が作られた時期です。

(第2次ブーム)
SPの創成期である2000年代に急激に増加しました。
2000年代は、バブル崩壊以降の喫茶店、コーヒー専門店の衰退に伴い、自家焙煎店とカフェの開店が多くみられました。

(第3次ブーム)
2010年代はサードウェーブの影響もあり、若い世代の参入も増加し、ネットにおける販路が拡大しています。
義、生豆の知識のないままの開店、テイスティングスキルや焙煎スキルのないままの開業、1kg程度の小さな焙煎機での開業などが多くみられ、収益性の伴わない店も多くみられました。

(第4次ブーム)
2020年代は、コロナ禍の影響で家庭消費の増加し、潜在的な開業需要が増しています。
それに伴い、喫茶店などで小型焙煎機(200g~1kg程度)で自店需要分を焙煎するなどの動き、
個人で副業的にネット販売しようとする動き、個人の趣味で焙煎する動きなども散見されます。
しかし、これらの焙煎機使用の場合は自家焙煎店にカウントするには無理があります。
コーヒー全般のスキルが伴わない事例が多くみられています。
また、焙煎機の製造の遅れが著しき、発注後7か月待ちの状況んとなり、海外の焙煎機は輸入できていません。
しかし、潜在的に開業を考える方は多くみられます。

自家焙煎店は、零細な個人営業店舗が多くを占め、2kg以上の容量の焙煎機を使用する店舗数は全国で5.000~6.000店(データなし)と予測します。
販売量(生豆換算、焙煎で15%程度目減りします)は、月間300kg以下(生豆換算)が大部分を占め、内月間100kg未満の店舗が50%以上を占めると推測されます。
反面、開業10年で月間1トンを超える店舗が誕生しています。
さらに2トンを超える店も出初め、日本における小規模ロースターの領域に入ります。
但し、1トンを超える販売量の場合は、複数店舗の事例が多く、家庭用のみではなく業務用の売り上げ比率も増します。
10kg以上の焙煎機が必要になり、スタッフも必要になります。

2022年現在、日本及び海外製の焙煎機の供給減がネックになりつつあります。
また2022年時点での円安、生豆の価格高騰により粗利の減少もみられ、焙煎豆の価格をあげざるを得ない状況になりつつあります。

専門的に豆を販売するには、焙煎スキル以上にコーヒーの風味の質を判断するテイスティングスキルが必要になります。
現在、自家焙煎店の経営は、経営上の知識、パソコンなどでの事務処理スキル、対人コミュニケーション能力、企画力、テイスティングスキル、焙煎スキルなど多様な能力が問われるようになっていますので、開業には十分な準備が必要です。

また、全ての工程(原材料入荷から製造、製品出荷まで)を衛生管理し、製品・食品の安全性を向上させるためのHACCAP(ハサップ)対応が必要になり、新たな店舗設計も問われます。