産地のはなし

ルワンダ出張記 Part 2 北部・西部探索

ルワンダ出張記 Part 2 北部・西部探索

 

皆様こんにちは、こんばんは。
堀口珈琲EC事業部の島崎です。

ルワンダ出張記、Part 2です!

Part 1をまだご覧になっていない方がいましたら、ぜひPart 1からお読みいただければと思います。

>>『ルワンダ出張記Part 1 いざ、千の丘の国ルワンダへ』

 

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さて、初日はルワンダの首都キガリにて、キガリ虐殺記念館やニャブゴゴバスターミナルを中心に巡り、現地の人々の様子や街の雰囲気を感じ取ることができました。そしていよいよ、ルワンダに来た本来の目的、ウォッシングステーションや農地の視察です。

ここで今回の訪問ルートを確認しましょう。

これまで、堀口珈琲では南部のコーヒーを中心にお届けしてきました。もうすでに皆様もご存知の通り、コアカカ生産者組合を中心とする生産者が手掛けたコーヒー達です。
そこに、ここ数年はBAHO社が手掛ける北部・西部のコーヒー(一部南部)が加わり、一気にルワンダの多様性を感じられるラインナップが展開されることになります。

今回はこれまでの深く関わってきた南部に加えて、北部・西部にも初めて足を踏み入れる予定です。
ウォッシングステーションの状況は?生産者の方々の様子は?農地の環境は?
初めてだらけの北部・西部をBAHO社の代表ルサティラさんと共に探索します。

その後、南部へ移動します。南部ではコアカカ生産者組合のステーションや農家を中心に最新の状況を視察する予定です。

それでは、Part 2「北部・西部探索」、行ってみましょう!

 


 

熟睡から起床。

時差ボケは日本から西に向かう場合は軽く、東に向かう場合は重い、らしいです。そのためほとんどありませんでした。帰国後が心配です…。

お肉、ご飯、フルーツと朝食をしっかり食べていざ出発。
まずは西部マチアゾに向かいます。

 

 

都心部はバイクタクシーや歩行者でごちゃごちゃしているところもありますが、少し離れると整備された幹線道路が伸びていて快適に移動することができました。

 

 

幹線道路には定期的にオービスのようなカメラが設置されていて、違反者は写真を取られ、内容と罰則が当人のスマホに通知される仕組みです。かなりハイテクです。

 

 

ンゴロレロ郡マチアゾセクターに到着。

「マチアゾ」とは石を砥ぐ動作のことを意味するらしいです。この土地には比較的石が多いことから付けられているとのこと。周辺一帯は標高が高く、1,800m~2,000m程度ありました。実際、マチアゾはンゴロレロ郡の中で最も高高度な地域です。南部に比べ冷涼で降雨量も比較的多いとのこと。

 

マチアゾウォッシングステーションに到着。
当店で扱っている商品「マチアゾ」はこのウォッシングステーションで精製されたコーヒーです。

2009年稼働開始。
ステーションはかなりの急斜面に建てられていて、向かうには急勾配で石だらけの坂道を15分程度歩かなければなりません。暗くなると足元が見えずかなり危険です。農家の方は慣れているのか私達を横目にスイスイと上り下りしていました。

 

ステーション自体の作りは比較的簡易で、パルパー(果肉除去機)や乾燥ベッドは年季の入った物でしたが、集められたコーヒーの熟度は高く、実際に届くコーヒーの品質が良いのも頷けます。
すでに質の高いコーヒーを生産していることから、今後さらに設備を改善したら一体どんなコーヒーが生まれるのか、期待が高まります。ステーションのオーナーやルサティラさんも設備投資には前向きでした。

スタッフの皆さんに温かく歓迎していただきました。

 

 


 

次にご紹介するのがコーヒー苗のナーサリーです。

現在BAHO社では良いコーヒーの栽培が期待されるンゴロレロ郡とガケンケ郡の郡境付近で新しく数百万本のコーヒーを新植するプロジェクトを実施しています。本数でお分かりの通り、かなり大規模なプロジェクトです。

ここはそのためのコーヒー苗を育てるナーサリーのひとつです。

 

 

すでに農家に配られているものもありますが、ここでは13万本の苗木を育てています。
品種はブルボン系のジャクソン品種。

有機物肥料+土、これに尿素を加えながら約6ヶ月育成し、その後、各農家が必要な分を取りに来ます。遠方でナーサリーまで来られない農家へはトラックを手配してまとめて配布するそうです。

 

 

 


 

続いては、北部ムゾウォッシングステーションを訪問します。

ここは2021年から販売をしている「ジャンジャヒル」のコーヒーが精製されているウォッシングステーションです。
緩やかな丘の斜面に建てられたコンパクトなステーションです。

 

 

パルパーは綺麗に整備されており、乾燥ベッドには収穫エリアごとにきっちり分けられたコーヒーが敷き詰められていました。
水路では浮力による選別と、グレード分けも行われていました。

ここでは興味深い話を聞けました。
持ち込んだコーヒーチェリーの量と品質、それに応じた金額が計算できたら、それらが明記された伝票が農家へ渡されます。この伝票ですぐに換金する必要はなく、農家のタイミングで換金ができるそうで、銀行は手数料が高くタンス貯金も危ないため、ステーションを銀行代わりに利用する人もいるようです。

 

 

 


 

ここからは、北部ではありませんが、同じBAHO社が所有する南部のフジウォッシングステーションを訪れた際の様子をご紹介します。

フジは位置としては南部のニャルグル郡にあり、BAHO社が最初に経営し始めたステーションとのことです。
そのためルサティラさんの説明にも力が入ります。

 

私達が着いた際には歓迎の踊りをスタッフ総出で踊ってくれました。

 

 

これまで回ったマチアゾやムゾに比べても比較的大きく、スタッフの人数や乾燥ベッドの数も多かったです。
ビニールテント付き乾燥棚も実験的に運用されていました。
また、一部ではハニープロセスや嫌気性発酵も行われており、新しい取り組みを積極的に行っている印象です。

集められたコーヒーチェリーの熟度は高く、乾燥中の選別も念入りに行われていました。

また、パルプはミミズに食わせて肥料化し、農家に配っていそうです。
訪問した農家ではどこも肥料不足が深刻だと言っていたので、このような取り組みが少しでも状況改善に繋がればと思います。

 

 

 


 

番外編。

北部から南部へ移動する際に、ウムガンダに参加させていただきました。

ウムガンダは国民のうち18歳以上65歳未満の健常者全員に参加義務がある、地域への奉仕活動の日です。義務の対象になる人が1家族から1人、奉仕活動に参加しなければならず、毎月最終土曜日に定められています。
1962年にベルギーから独立した際に始まった取り組みですが、1994年の内戦以降は主に荒廃した地域社会の復興と団結の促進を目的のひとつとして実施されているようです。

作業は清掃や学校の建設、道路の補修、雑草刈りなど様々ですが、今回、伊藤と島崎が参加したのはフジのとある道路沿いの雑草刈りでした。

 

 

鍬初体験で四苦八苦する島崎。一方伊藤は手慣れた手つき。
皆さん優しくコツを教えてくれました。
あまりのへっぴり腰に笑われる一面も。情けない…。

 

 

同日の夕方に同じ場所を通りましたが、道路沿いの雑草はきれいになくなっていました。

 

>>Part 3『南部訪問』へ

 

 

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