たのしいコーヒー

迷った時に導いてくれるブレンド / EC事業部:島崎 宏音

迷った時に導いてくれるブレンド /  EC事業部:島崎 宏音

   

 

   

普段はブレンドを作り、お客さまにおすすめしている堀口珈琲のスタッフが自身のブレンドにまつわるエピソードを綴る連載エッセイです。

ブレンドとの出会いや思い出、わたしだけの楽しみ方、好きなブレンドのことなど、ここでしか読めない内容となっています。

この連載をきっかけに、堀口珈琲のブレンドの魅力がより多くの人に伝わり、暮らしや人生が豊かになりますように。

   

 迷った時に導いてくれるブレンド / EC事業部 島崎 宏音

 



あなたにとってコーヒーはどんな存在ですか?
私は堀口珈琲の入社面接で聞かれたこのシンプルな質問を、時折思い出します。

 

幼い頃からコーヒーは身近な存在でした。
両親はコーヒーが大好きで、毎晩ある時間になると父親のドリップしたコーヒーを飲みながら談笑します。はじめは一週間に一回、そのうち三日に一回、気づけば毎晩、私もその団欒に参加するようになっていました。
その日学校であったこと、友達と遊んで楽しかったこと、先生に叱られたこと、他愛もない話ばかり。普段忙しい両親も、その時間だけは仕事や家事の手を止め私との会話に集中してくれたので、幼心に嬉しかった記憶があります。

 

中学生、高校生になってもその習慣は続きました。部活の話や受験の話など話題も大人になっていきます。振り返ってみると、コーヒーは両親との時間を作り、会話を繋ぐ大切なツールだったのだと思います。そして当たり前のようにコーヒーを好きになっていました。   私にはもうひとつ大切なバックグラウンドがあります。

 

それはホンジュラスが生まれ故郷だということ。
父親の仕事の都合で中米のホンジュラスという国で生まれました。現地にいたのは2歳までなので当時の記憶はありません。 小さい頃は友達に「外国人!」などとからかわれていたのでその事実がとても嫌でしたが、大人になるにつれて、それが何か特別なことなのだと感じるようになりました。

 

現地のことも調べるようになると、世界有数の治安の悪さ、貧困国、ネットでは「行ってはいけない国」などという見出しが目立ちます。悲しさと同時に、徐々に使命感のようなものが芽生えてきます。そして大学生の頃には、いずれどんな形であってもホンジュラスに貢献できるような仕事がしたい、そう思うようになっていました。

 

 

 

大学卒業後は、システムエンジニアになりました。ITを一通り学び、やりたいことの準備をする、そう強く思い入社したはずですが、忙しさや人間関係、目の前のことにいっぱいになり、自分の目標や何のために働いているのかがわからなくなってくるのです。ホンジュラスへの想いを無意識に頭の隅に追いやっていました。

 

そんな悶々とした日々を送っていた2015年の夏。友人と訪れたコエドビール祭で堀口珈琲に初めて出会いました。

 

「深煎りで一番おすすめのコーヒーください」

 

そこで出てきたのが堀口珈琲の象徴でもある「#7 BITTERSWEET & FULL-BODIED」。 今まで経験したことのない綺麗で深みのある味わい。おいしいコーヒーとはこういうコーヒーなんだと力強く訴えかけてくる印象を受けました。クリーンさ、質感、苦み、甘みのみをシンプルに追求し、極めたコーヒー。間違いなく人生で最高の一杯でした。

 

そこから数分、接客してくれたスタッフに質問攻めでした。 いれ方のこと、使用している豆のこと、品質と産地を大切にしていること、そしてホンジュラスのこと。   大好きなコーヒーを通じて、故郷であるホンジュラスに関われる、求めていた仕事に出会うことができました。

 

 

目の前のことに追われると、自分は何のために働いているのか、どう生きたいのか、誰しも見えなくなるときがあります。疲れ切って何も考えたくなくなることも。 そんな時に#7を飲むと、あの2015年の夏を思い出します。 シンプルでありながらも力強い味わいに「しっかりしろ」と励まされ、包み込まれるような滑らかさと甘い余韻に「でも、少し肩の力を抜いて“らしく”生きよう」と癒されます。

 

そして、また、頑張ろうと。

 

#7は、わたしにとってそんな存在です。

 

   


 

 

 

 
 

 
しっかり苦く、ほのかに甘く、 コクがある、堀口珈琲の王道

 

「おいしい深煎りの条件」 深煎りは“苦味”を積極的に楽しむ飲み物です。 だから、飲みにくい苦味ではいけません。 焦げていてもいけません。 “心地よい苦味”これが絶対条件です。 そこに甘みが続きます。 なめらかな口あたりが続きます。 苦く、甘く、コクのあるコーヒー。 堀口珈琲が作り続けていく王道のブレンドです。

 

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  島﨑 宏音
EC事業部

 

2016年入社
 
明日死んでも「それなりに楽しい人生だった」と思えるように生きたい。 好きな言葉は「しないよりはして後悔」。