たのしいコーヒー

ルワンダから最新情報をお届け!「品質向上プロジェクト」の現在

ルワンダから最新情報をお届け!「品質向上プロジェクト」の現在

目次

1 『ルワンダと繋がる12日間』と支援金
2 現地から届いた最新の活用状況
 -2-1 苗床・苗木への投資状況
 -2-2 ウォッシングステーションへの投資状況
 -2-3 BAHO代表ルサティラ氏からのメッセージ

 

2022年、堀口珈琲とルワンダの関係はより親密なものになりました。

2022年の3月に「Muraho Rwanda !(ムラホ、ルワンダ!)」と銘打ち始まった特別企画。
「出会う」「深める」「繋がる」という3つのフェーズを進みながら、「コーヒーとSDGs」という切り口を通じて、ルワンダコーヒーに関わる様々なコンテンツを発信してきました。
ブランドサイトやオンラインストアのみならず、実店舗も巻き込み全社をあげて取り組んだこの企画は同年11月の『ルワンダと繋がる12日間』というイベントで締めくくられ、ルワンダは2022年の堀口珈琲を象徴する産地になったといっても過言ではありません。

今回は、そんなルワンダにおける最新の活動状況をお伝えする記事です。
イベントは2022年で幕を閉じましたが、活動は2023年、2024年、そして2025年以降も続きます。
定期的に報告していきたいと思っていますので、ぜひご覧ください

 

もっと読みたい!:『【特別企画】Muraho Rwanda!~ルワンダと出会い、深め、繋がる~』

 

 

1 『ルワンダと繋がる12日間』と支援金


 

駐日ルワンダ共和国大使館の後援・協賛を得て実施した『ルワンダと繋がる12日間』。
期間中に当店を訪れた方へルワンダコーヒーの魅力を楽しく・おいしくお伝えするため、店内をルワンダのアートで彩り、同国の情報をぎっしりと詰め込んだ「よみもの」を配布しながら、ルワンダコーヒーを販売。
さらに、該当のコーヒーをご購入いただいた方には抽選でルワンダの工芸品をプレゼントするなど、お客様にもコーヒーを通じてルワンダに関わっていただく盛りだくさんの12日間でした。

期間中ルワンダコーヒーの販売から得られた売上金はすべて、現地で進行している品質向上プロジェクトの資金の一部として活用することになっており、12日間で合計1,409,298円の支援金が集まりました。

支援金の管理・運用を担うのは、現地の品質向上プロジェクトを運営している輸出業者BAHO(バホ)。毎年素晴らしい品質のコーヒーを届けてくれる、信頼のおける相手です。

今回は現地から最新の情報が届きましたので、項目ごとに支援金の活用状況をご報告します。

 

もっと読みたい!:「『ルワンダと繋がる12日間』支援額のご報告」

 

 

 

2 現地から届いた最新の活用状況


 

支援金は2023年1月に米ドルに換え、ルワンダに送りました。送金額は約10,000ドルです。

 

 

2-1 苗床・苗木への投資状況

 

そのうちの約3,000ドルを下記の用途に投資しています。

・コーヒーの苗床作り
・コーヒーの苗木の購入
・苗木を植える土地の整備

苗床を造り、苗木を購入する。いわば将来のための「土台作り」「種まき」です。
どんなに精度の高いウォッシングステーションを建設しても、対象となるコーヒーチェリーの処理量が増えていかなければ投資効果は低いでしょう。
まずはしっかり生産量を上げていくためにできることをします。

対象地域は、今最も注目しているルワンダの生産エリア【マチアゾ】のある西部ンゴロレロ郡です。
2021年以降安定して良いコーヒーが届いていますし、同じマチアゾエリアでもヒル(丘)単位で風味傾向が異なる“ルワンダの多様性”を楽しめる貴重な産地です。
品質・生産量の両面で非常に高いポテンシャルを秘めたこの地に新たに苗床を作り、苗木を植えています。2022年に現地を訪れた際、すでに郡内の数カ所に苗圃が設置されていましたが、生産量強化や農家へのアクセス等を考えて増設している状況です。

ここ数年でマチアゾの存在感がいかに増していったか、そのラインナップの豊富さから皆様も実感されていることと思います。
現在植えている苗木がやがて実を結び、皆さまにお届けできるまでには数年を要しますが、ぜひ期待してお待ちくださいね。

 

 

 

2-2 ウォッシングステーションへの投資状況

 

残りの約7,000ドルはマチアゾのウォッシングステーションの整備に充てられます。
2023年前半に現場での工事が始まり、現在も進行中。チェリーの選別を行うエリアを確保し、乾燥に使用するベッドを増設。さらにはウォッシュト精製の精度を上げるため水路も新設しています。

今後、各農家での収穫量が順調に増えていき、持ち込まれるチェリーが増加していった際に、しっかりと精度を上げて処理していけるよう準備をしています。
写真でご覧いただくと一目瞭然ですので、一部をご紹介します。

 

 

これまではパルパー(写真左)で果肉や果皮を除去した後、そのままタンク(写真右)に移し、自然発酵させてミューシレージを取り除き、乾燥工程に進んでいました。
この方法では、ミューシレージの水洗いや浮力による選別がしっかり行えず、1回に処理できる量も限られます。
しかし、現在はこうなっています。

 

 

どん。立派な発酵槽(ファーメンテーションタンク)と水路を建設中です。
奥からご紹介します。
三角屋根の建物でチェリーを回収。軽い選別を経て、その下に設置される(はずの)パルパーと呼ばれる機械に送られ果肉や果皮を除去します。その後、写真中央に見える青い屋根のファーメンテーションタンクでミューシレージを自然発酵させます。そして、最終的に下の水路を通りながら水洗いされ、浮力による選別を施された後、右下のタンクに品質レベル毎に溜められていきます。そして、乾燥工程へ。
処理できる量が格段に上がることはもちろん、より精度の高い選別が行えるようになるでしょう。

 

 

これ以外にも新しい倉庫や事務所も建設中です。
ほぼ、新しいステーションを造っていると言っても過言ではありません。

正直、これまでのマチアゾのステーションは設備が十分とは言えない状況でした。精製に必要な最低限の状態、と言ったところでしょうか。
むしろ、よくこの環境からこんなにも良いコーヒーが毎年届くな、と意外に思っていたほどです。
これは、そもそも良いコーヒーが育つ地理的環境が整っていることに加え、現状の設備のなかでベストを尽くしてくださっている農家やステーションスタッフの皆様の尽力あってのことだと思います。

ステーションの整備が完了して稼働が始まった暁には、いったいどんなコーヒーが届くのか。
今からワクワクが止まりません。

ステーションは来年の春に完成予定です。
続報も、ぜひご期待ください。

 

 

2-3 BAHO代表ルサティラ氏からのメッセージ

 

“バホコーヒーとパートナーであるマチアゾ協同組合は、

コーヒーの苗木の栽培と同協同組合への配布という

歴史的な偉業を成し遂げることができました。

マチアゾの指導者と同協同組合の組合員から、堀口珈琲に感謝申し上げます。”

 

ルサティラ氏(一番左)とマチアゾ協同組合のみなさん