予定でも合わせていたかのように蝉が一斉に鳴き始め、本格的な夏の訪れを感じられるようになりました。容赦のない暑さに対して何か涼を見出せないかと、あれこれ考えてしまいます。そんな時期にお届けするサマーブレンドVer.2はコーヒーに備わった『凛』と引き締まった爽やかな果実味を活かして、涼やかな気持ちになれるような風味をイメージし、創作を行いました。

ブレンドを一口飲んで、まず感じられるのはフレッシュフルーツを齧ったかのような豊かな果実味です。そして、飲み進めるたびに柑橘果実や白系果実、南国果実など異なる果物のニュアンスが次々と表れ、ジューシーかつ複雑な風味をご堪能いただけます。さまざまな風味が感じられますが、それらが錯綜しておらず、優しい甘みや、余韻のフローラルなフレーバーからなるエレガントな印象に思わずうっとりしてしまいます。

アイスコーヒーにすれば、このブレンドの果実味豊かでエレガントな風味はそのままに、暑さを忘れてしまうかのような清涼感を味わっていただけるでしょう。 暑さ厳しい中ではありますがサマーブレンドVer.2をお召し上がりいただき、『凛』と涼やかに、心地の良い夏をお過ごしください。

「コーヒーに備わった『凛』と引き締まった爽やかな果実味を活かして、涼やかな気持ちになれるような風味のブレンドを作りたい！」
サマーブレンドVer.2の創作はこうした思いからスタートしました。

創作のイメージを行う中で、素材候補としてまず思い付いたのがホンジュラス「インコモーダ」でした。このコーヒーは柑橘果実を中心に、白系果実や南国果実のニュアンスが備わった複雑な風味が特徴で、イメージしていたブレンド像と合致していました。そして、思い描いていたブレンドを完成させるため、ここに同じように果実味豊かでキャラクターの強いコーヒーを合わせようと考えていました。しかし、インコモーダのような風味の強い素材に対して、同じように風味の強いコーヒーを重ねてしまうと、各々の特徴がぶつかりブレンドの風味を崩してしまいかねません。そこで今回はタンザニア「ハイツ農園」とグァテマラ「ラ・トラベシア農園」をブレンドの素材として選定することにしました。この二つは派手なタイプのコーヒーではありませんが、どちらもマイルドな風味があり、その中で｢ハイツ農園」は心地の良い甘み、「ラ・トラベシア農園」は品の良さが感じられる華やかな余韻に特徴があります。

こうして 、インコモーダの個性的なキャラクターを活かしつつ、品の良さ、そして何より風味の調和を感じられるように配合調整を繰り返し、『凛』をコンセプトとしたサマーブレンドVer.2が完成しました。

１、ホンジュラス「インコモーダ」シティロースト

柑橘果実の酸と甘みを軸に、青りんごやほのかにトロピカルフルーツのような果実味が備わった、複雑かつ風味の密度がしっかりとしたコーヒーです。また余韻ではフローラルなフレーバーが心地よく感じられます。今回のブレンドの豊かな果実味を表現する上で軸となるコーヒーです。

２、タンザニア「ハイツ農園」シティロースト

柑橘の果物を想起させる柔らかな酸。濃縮感のあるボディと滑らかな触感が備わったコーヒーです。飲み下したあとも豊かな甘みが持続し心地よく感じられます。ブレンドに組み込むことでインコモーダの個性豊かなキャラクターを受け止めて調和し、風味に奥行きをもたらしています。

３、グァテマラ「ラ・トラベシア農園」シティロースト

程よいコク、酸と甘みのバランスに優れたマイルドコーヒーのお手本のような風味で、オレンジのような明るい果実味と華やかなフレーバーも備わっています。このコーヒーを使用することでブレンドの風味をまとめ上げ、余韻に感じられる華やかさをより一層高めてくれています。

吸い込まれるような高く青い空を仰ぎながら、ひんやりとしたアイスコーヒーを手に取るひととき。秋の気配も微かに感じられるこの季節、残された夏の余韻を楽しむ特別な時間が広がります。

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