Released:2024.11.20 – 2024.12.23
Categoly:SEASONALS “ HAPPY HOLIDAY ”
Concept:Couche
Artists:Keisuke Tanaka
冬の記憶に残るような最高の一杯を
お気に入りのスイーツと共に
ブレンドコンセプト
色づいた木の葉が冷たい風に舞い、冬の訪れを感じられるようになりました。
ホリデーシーズンが始まり年末へと向かう街は、華やかに彩られ、楽しげな雰囲気に包まれています。
日々、たくさんのコーヒーと出会い、ローストやブレンド創作の過程で多くの経験を積み重ねてきました。ひとつひとつの素材に向き合い、そこで得た物を自分の中に落とし込んでいく。地道な作業の繰り返しですが、そうした積み重ねが「層」を成し、表現の幅を広げる土台になる。そこから新しいブレンドへの着想が芽生え、何か形になりそうな予感がすると、街の雰囲気につられてつい高揚感を覚えてしまいます。
今回のブレンドコンセプトは『Couche(クーシュ)』。
フランス語で「層」を意味する言葉です。
カップから立ち昇るのは柑橘果実を始め、赤く熟した果物、ほのかに白ブドウを想起させる華やかな香り。一口飲んでみると豊かな果物のニュアンスがフレーバーや甘みとして層を成し、次々と表れてきます。そうした多層的な華やかさを崩さず、そっと寄り添うように、ミルクチョコレートのような滑らかな触感や甘みが続き、飲み下した後も上品な余韻を感じていただけるでしょう。
ホリデーシーズンではスイーツをお召し上がりになる機会も多いため、さまざまなケーキやおやつとの風味の重なりも楽しんでいただけるよう、華やかながらも風味のまとまりが感じられる配合に調整しました。
新たな経験を積み重ね、層を成し、何か形になっていく。
それは簡単な事ではないかもしれませんが、そんな過程のどこかでこのブレンドが寄り添い、ほっと温まるような安らぎを皆様に与えられれば幸いです。
ブレンドができるまで
多くのコーヒーに向き合う中で、今年のハイライトともいえるコーヒーのひとつがエチオピア「ゴロ・ベデッサ」でした。
「今まで扱ってきたエチオピアの中でも最高峰かもしれない」
そう感じたと同時に、このコーヒーを使用してブレンド創作が出来たら楽しいだろうなとワクワクしてしまいました。この感覚がホリデーシーズンの賑やかな雰囲気やワクワクする気持ちと共鳴する部分があり、ハッピーホリデーブレンドの華やかな風味のイメージとも合致していたため、このコーヒーを選択することに迷いはありませんでした。
試作を繰り返し「ゴロ・ベデッサ」の華やかながらも爽やかな風味を軸に、コロンビア「ラ・クンブレ農園 コロンビア品種」の濃縮感のあるボディや甘みを合わせ、そこに酸、甘み、コクの均整のとれたグァテマラ「サンタカタリーナ農園」を配合し、風味をまとめあげることにしました。この時点で華やかで甘く、風味にまとまりのあるブレンドが創作できていましたが、もう少し風味に複雑さを与えることができないかと考えた末、少し深めにローストした「ゴロ・ベデッサ ナチュラル」を組み込むことにしました。これにより風味の複雑さは増し、コンセプトでもある『Couche‐層』を体現したブレンドを作り込むことができました。
今回選定したエチオピア「ゴロ・ベデッサ」は同産地に懸けるさまざまな思いや取り組みが積み重なり、層を成した結果、素晴らしいコーヒーとなって私たちの元に届いている。そう感慨を覚えつつ創作に臨み、多層的な風味が楽しめるハッピーホリデーブレンドが完成しました。
素材のご紹介
1、エチオピア「ゴロ・ベデッサ」フルシティロースト
柑橘や白ブドウを想起させる華やかなフレーバー。風味の密度もしっかりと感じられ、ミルクチョコレートのような滑らかさや甘みも備わっています。今回のブレンドのメイン素材として使用しておりブレンドの華やかさや甘みの軸となるコーヒーです。
2、エチオピア「ゴロ・ベデッサ ナチュラル」フレンチロースト
赤く完熟した果物を思わせる圧倒的に華やかなフレーバー。カカオのような風味も備わった複雑さが特徴です。クリーミーな触感も感じられ、余韻までしっかりと甘みを感じられます。やや深めに煎り上げてブレンドに組み込みことで、風味をより多層的に仕上げてくれています。
3、グァテマラ「サンタカタリーナ農園」フルシティロースト
スムースな触感に蜜柑のような柔らかな酸と甘み。ほのかにカカオのようなフレーバーも感じられます。酸、甘み、コクの調和がとれており、今回のブレンドでは他の素材の風味を繋ぎ、まとめ上げてくれています。
4、コロンビア「ラ・クンブレ農園 コロンビア品種」フルシティロースト
濃縮感のあるボディにトロっと滑らかな触感。熟した柑橘果実のような華やかさも備わったコーヒーです。ブレンドの風味の層を崩さず支え、滑らかな触感や余韻まで続く甘みをしっかりと感じさせる役割を担っています。
アートワーク
Designed by Yuka Koide