パパ日記

CVAに代わる新しい官能評価方法

https://reserva.be/coffeeseminar

各位

9月のセミナー日程をアップしました。9月はSCAJの展示会があり、9月24日から9月27日まで「COFFEE VILLAGE」に出店します。詳細は再度ご案内します。

 

SCAは、スペシャルティコーヒーの概念変更により、新しいCVA(Coffee Value Assessment)による運用を開始し始めました。スペシャルティコーヒーは、従来の官能評価重点から、フィジカル(欠点数)、感性的(印象的評価)、記述的(プロファイルなどによる評価)、外在的価値(生産履歴、サスティナブル要因)などの4点から総合的に評価します。コーヒーの価値を多角的に捉えようとするで試みですが、マーケティング的な観点が重視されているように感じます。

今後スペシャルティコーヒーの概念や品質は曖昧になると予測されます。
これまでの官能評価が主観的評価になりすぎたこと、また複雑で難しいこと、すべてのコーヒーに対応しきれないこと、中国、インド、東南アジア、中近東などの新しい消費国が誕生したこと、価値観が多様化してきていることなど様々な要因が今回のCVA導入の背景にあると考えます。

また、Qグレーダー(官能評価技能者)の制度が今年中に廃止になり、新しい資格付与に向かっていますが、SCAの官能評価方式は使用されなくなります。
個人的見解となりますが、コーヒーの品質を客観的な官能評価で見なくなることは、スペシャルティコーヒーと言う概念を曖昧なものにすると考えます。

そこで、堀口珈琲研究所では、CVAに代わる新しい官能評価方法によるセミナーを10月から開催します。これまで5項目(aroma、acidity、body、Clean、Sweetness)の評価項目で50点満点で行ってきましたが、新たに「旨味」と「苦味」と「発酵」を評価項目に加え、評価の基準を科学的な成分との相関性から作成したく考えています。苦味や発酵については国際的なコンセンサスが取れない可能性もありますが、20年使用されてきたSCAの方式の発展形として使用したいと考えています。

スペシャルティコーヒーの健全な発展のためには、その品質を裏付ける適切な官能評価が重要であると考えます。
なお、この新しい官能評価方式は、2025年9月24日14時からのSCAJの展示会の講演で提案する予定です。また、今年中に論文にまとめる予定です。

コーヒーの品質評価は私のライフワークでもありますので、今後もセミナーを継続していく予定です。

             2025年7月16日 堀口珈琲研究所 堀口俊英