コーヒー生産の中でアラビカ種の生産量が低下傾向にあり、耐病性、高温多湿に強いロブスタ種の生産量が45%(アラビカ種は55%)と増加しています。
ベトナム、ブラジル、インドネシア、インド、ウガンダなどがロブスタ種栽培国ですが、ベトナムが全体の40%を占めます。
工業用製品である缶コーヒーや低価格レギュラーコーヒーに使用されていますが、2024年以降生豆価格の暴騰が顕著となり、ロブスタ種の価格も暴騰しています。コーヒー産業は、コーヒーの需要増に対応するためロススタ種の増産には寛容な傾向があるように感じます。
CQI(Coffee Quality Institute)やWCR(World Coffee Research)は、ここ数年ロブスタ生産国に対する農業的支援を重要な政策としています。
このような状況下で、単にロブスタ種の風味がよくないというだけで、ロブスタ種を無視してよいのか少し反省しつつ、ロブスタ種の増加をどのように捉え、対応すべきか考える時期に来ていると考えます。
2020年以降に台頭したファインロブ、ウォッシュトロブ、スぺシャルティカネフォーラなどという言葉も見聞しますが、その実体は極めて曖昧で明確な検証がありません。そこで、ロブスタ種とファインロブスタとアラビカ種の比較を通して、ロブスタ種の可能性について検証したいと考え、大学での研究テ―マの一つ加えます。
ロブスタ種(カフェフォーラ種)
|
ロブスタ |
中央~西アフリカ |
コンゴ系遺伝群、高収量,高カフェイン、耐病、低標高 |
|
コニロン |
ブラジル |
ブラジル独自改良系統、乾燥耐性、高温適応、 |
|
ウガンダSG |
ウガンダ |
在来遺伝資源から選抜、遺伝的幅広い、高カフェイン |
*1990年代以降、ウガンダの研究機関が高収量・耐病性により在来遺伝資源から選抜した系統のSelection GroupでSG1とSG2がある。
主な生産国のロススタ種
ロブスタ種の栽培環境は、標高が200 ~800mと低く、高温多湿で、日射が強く成熟が早い環境にあり、呼吸速度高く、有機酸消費は早く、夜間冷却不足で酸の保持がありません。そのため、風味は、強いボディ、高粘性、穀物様、土壌感、強い苦味、ゴム様、焦げ臭となります。
ロブスタ種の特徴は、高カフェイン(2~4%),高クロロゲン酸でショ糖、有機酸量が少なく以下のような風味特徴になります。クエン酸は減少しキナ酸が増加しますが、キナ酸は感知しにくく、酸味を感じにくいのではないかと推測します。
2000年以降のアラビカ種はエチオピア、ケニアの酸味、明るさ、クリーン、フルーティさを重要視し、ロブスタ種の重さ、苦味、穀物、は減点対象で評価対象外でした。
但し、2020年代になり気候変動が顕著になり、アラビカ種の生産減少化傾向の中でロブスタ種にも目が向けられつつあります。
CQIの評価法
そこで、10年くらい前にCQI(Coffee Quality Institute)は、ロブスタ種の官能評価法を発表しました。しかし、ロブスタ種には強烈なロブスタ臭があり、評価は難しいと感じます。Aroma、Flavor、Aftertaste、Bitterness quality、Body、Balance、Clean cup、Uniformityで評価しますが、アラビカ種の官能評価を踏襲していますので個人的にはよりロブスタの風味を評価できるものがよいと考えます。苦味の質が最も重要になると考えられますので、今後苦味に関する分析が重要になると考えています。
研究内容
ロブスタ種にはクロロゲン酸、カフェイン、遊離脂肪酸が多く、窒素化合物(構成元素として窒素(N)が含まれる化合物で,アンモニアや硝酸,二酸化窒素,硝酸カリウム)が多い傾向があるようです。
ロブスタ種については、一部研究されているためデータは見つけやすいですが、当研究室で行っているような基本分析は見られないため新しい視点での研究を行いたいと考えます。
焙煎でメラノイジンが増加、ピラジン生成され、 麦茶、焙じ茶、大豆、カカオニブ、味噌様ニュアンス、粘性、穀物スープ感が増すともいわれますので、風味の検証をします。
これらの風味には、苦味のみではなく実はうま味が絡んでいるのではないかという仮説を立てています。
問題は、どのような品質のロブスタ種を集めることができるかにかかりますので、研究は試料次第ということにもなります。いずれ、テイスティングセミナーでロブスタ種を徹底テイスティングしたいと考えています。
試料
|
ロブスタ |
生産国 |
|
ファインロブ |
ベトナム、インド、ウガンダその他 |
|
一般のロブスタ |
ブルンジ、タンザニア、ブラジル、インド、ラオス,ベトナム、インドネシアAP1,インドネシアWIB、 |
horiguchi