パパ日記

2026-20焙煎機と熱伝導

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現在の大部分の焙煎機はドラム式です。
ドラム式(drum roaster)は、コーヒー豆を 回転するドラム(円筒)に入れて焙煎する方式で、豆はドラムの中で回転しながら加熱されます。
熱は主にドラムとの接触(伝導)と熱風(対流)などで伝わります。

焙煎で豆に伝わる熱は主に3種類です。
① 伝導(conduction)は、
ドラムの金属面に豆が触れることで、金属の熱が直接豆に伝わります。② 対流(convection)は、焙煎機の中を流れる熱風によって、豆全体が温められます。③ 放射(radiation)は、バーナーの炎や高温になった壁から出る赤外線の熱が、豆に直接届いて加熱されます。
つまり焙煎では、ドラムとの接触・熱風・赤外線この3つの熱の伝わり方が組み合わさって豆が加熱されます。
この熱伝導は焙煎機の構造により異なります。

ドラム式焙煎機
1)直下式
ドラムの下にバーナーがあり、炎の熱が直接ドラムに当たる方式で直下式といわれます。ドラムが強く加熱され放射熱が多くなり、焙煎が力強くなります。豆の表面温度が上がりやすく、メイラード反応における糖のカラメル化や熱分解が進みやすくなりますのでデリケートが温度調整が必要になります。ボディが強く、甘味や苦味が出やすく、酸はやや弱くなります。
焦がさない焙煎スキルがあれば深煎りに向く焙煎機とえます。
密度が高い豆、水分が安定した豆、硬質で深煎り適性のある豆は深煎りにすれば複雑さ風味を表現できます。
グァテマラ・アンティグア、コロンビア・ナリーニョ、コスタリカ・タラス、ケニア・キリニャガ産などや一部のイエメン、スマトラなどの硬質の豆と相性が良いと考えます。
Diedrichや富士ローヤルの直火式などはこのタイプになります。

2)半熱風式は、ドラム式の中で熱風の割合が多いタイプです。
バーナーの火は直接ドラムに当たらず、ドラム内に熱風を送り込んで焙煎します。熱風による対流加熱が主体で、ドラム接触はなくなりますので、焙煎が比較的均一になります。
一般的には、酸・甘味・苦味が整いやすくなり、中煎りから深煎りで安定します。伝導と対流のバランスがよく、中密度〜高密の豆との相性が良いと考えられます。小型焙煎機の市場で多く使用されています。
エチオピアイルガチェフェ、コロンビア・中北部、中米ウォッシュトなど幅広い豆との相性が良いと考えられます。
GiesenやPROBATや富士ローヤルの半熱風式などはこのタイプになります。


3)熱風式は、ドラム接触による加熱がほとんどなく、熱風(対流)を主体に豆を加熱する方式です。
燃焼炉で作り出した高温の熱風をシリンダー内に送ります。
伝道は非常に少なく80~90%が対流熱になります。
熱風でゆっくり内部まで加熱されるため繊細な酸や香りを出しやすいと言えます。酸が明るく出やすく、さわやかな味になりやすいと言えます。
浅い焙煎に向く可能性が高くエチオピア・ナチュラルなどでキャラクターが出やすいと考えられます。
Loring、富士ローヤルRevolution熱風式などはこのタイプになります。

ただし、実際の焙煎では焙煎機の構造の違いよりも焙煎機の性能、焙煎プロファイル(時間・排気・RoR(1分間の温度上昇))の影響の方が大きいと考えられます。したがって、焙煎のドライフェーズ、メイラードフェーズ、デベロップメントフェーズなどにおける加熱の方法を検討する必要があります。
焙煎機を比較した研究論文はほぼありませんので、様々な焙煎機の風味を体験する必要があります。

焙煎機の種類と味覚センサー
6種の焙煎機を使用し、エチオピアのイルガチェフェ・ウォッシュトをシティローストにし、味覚センサーにかけました。ただし、焙煎は各自家焙煎店の店主にまかせてありますので、焙煎プロファイルまでは統一していません。(fujiは半熱風です)

焙煎機の選択については、風味、価格、納期、メンテナンスなどを総合して検討した方がよいでしょう。

今年は分析が忙しく、来年は、Giesen=半熱風ドラム式、富士ローヤル直火=直火ドラム式、PROBAT=半熱風ドラム式の3種の焙煎機を使用し、ミディアム、シティ、フレンチの焙煎豆を試料とし、理化学分析することを考えています。

 

horiguchi