パパ日記

2026-29 マンデリンの物量の複雑さ

マンデリンがやっと日本に入港し始めました。しかし、まだまだ種類が少なく通常年の比べ4~5か月遅れの印象です。これから入港があるのかも不透明です。

1)スマトラのマンデリンの流通構造が複雑です。スマトラは小農家主体で数kg〜数十kg単位集荷で集買人(Collector)が買います。このコレクターの存在がややこしくて話が一筋縄ではいきません。さらに地域集荷業者がいてパーチメントの脱殻までします。それから港のあるメダンまで8~10時間くらいかけて運びます。産地に行くとわかりますがとにかくいやになるくらい遠いです。さらにメダンのドライミルで選別して輸出業者にわたるという多層構造です。コロンビアやブラジルのような大規模農園→大型ミル→輸出ではありません。

2)北スマトラのリントンとアチェが主要生産地です。雨が多く湿度が高いため早く乾燥させるためにパーパーチメントを脱殻し生豆を乾燥します。他の生産国には見られないスマトラの特殊な乾燥方法ですが、雨期に入ると「船積みできる水分まで乾かない」が普通に起こります。スマトラ内陸(タケンゴン、リントンなど)からメダン港までの道路事情も良くありません。また、コンテナ確保問題が断続的にあります。日本の国力が落ちていますので日本向け少量貨物は優先順位が低いこともあります。

3)日本商社はマンデリンを、必要量確定後に買付するケースがあります。そのため商社が必要以上に在庫を持ちません。円安ですし日本は昔のように豊かではありません。

4)日本はG-1グレードに対する品質要求が高いこともあるかもしれません。特にマンデリンは、高温多湿で、水分過多 カビ臭、発酵臭 、異物、欠点率などで再選別になることがあります。私は昔ハンドソーティングを3回させたこともありますが今は人件費も高いのでしょうね。

5)商社側は、残留農薬検査 輸出前検査をし、日本到着後分析を行います。問題が疑われると、船積み保留になります。スマトラは、内陸 → メダン → ベラワン港 → シンガポール経由 → 日本への流れになりますが、様々な要因で遅延が日常化しています。何よりG-1グレード、プレミアムグレードを購入する国力の低下が大きいと考えます。

6)スマトラの大部分の豆はロブスタ種とカチモール品種です。カチモール品種は、チモールハイブリッド(アラビカとロブスタ種の交雑種)とカツーラの交雑種でポルトガルの研究所で開発されました。生産性が高く病気に強いため世界中に広まっています。テイスティングセミナーでは、カチモール品種の風味を確認します。

7)スマトラ式精製は、ナチュラルの精製よりも微生物の影響を多くうけます。そのため独特の風味が生み出されます。テイスティングではこれを確認しましょう。

では6月のテイスティングでお会いしましょう。 horiguchi