パパ日記

1年間ありがとうございました 生豆について

10-11クロップ(現在使用中の多くの生豆)は、価格の暴騰に始まり、優れた生豆の確保に苦労した年でした。

スペシャルティコーヒーも2極化の方向にあり、SCAA基準で8084点のコーヒーと85点以上のコーヒーでは香味は明らかに異なることが明確になってきました。(テースティング会ではその違いを明確に解説しています)

それに伴い価格の差も大きくなり、優れた生豆にはそれなりの価格がつくというマーケットが形成されつつあります。ワインマーケットのようになりつつあるといえるでしょう。つまりは、ほしい会社が多くなれば、それなりのプレミアムが必要になるわけです。

そして高価格というふるいにかけられ、最高峰の生豆を買える力のあるトレーダーは世界的に見ても限定されてきます。

そのような中で堀口珈琲では「各生産国の香味の特徴は何か?」を追求しつつ、最高峰の生豆の争奪戦を繰り広げ購入し続けています。
過去10年間地道に、各生産国の農園や輸出会社とのパートナーシップを築いてきたベースがあるからこそ可能となっていると考えています。


11-12クロップは、東チモール、ペルーが通関し販売中です。
ブラジルの複数の農園やルワンダの生豆は日本に向かう船上にあります。1月~2月は、スマトラやタンザニアの船積み、その後コロンビアや他の産地の豆の手配を経て、4月以降に中米産の生豆の輸入に向かいます。

2012年はとりわけコロンビアのコーヒーの開拓に力を入れていきます。この産地は北から南まで広い生産地を抱え、かつ品種の混在もあり、現在世界で最も香味をつかみにくい生産地といえます。堀口珈琲にとっても、最後に探求すべき大きな壁であると認識しています。
極端に言えば、香味が多様すぎて世界中の消費国のコーヒー関係者はコロンビアの香味の輪郭を十分には把握できていないともいえるでしょう。11-12コロンビアについては、今年すでに多くの現地輸出会社、日本のトレーダーなどとのコンタクトをとりつつ、産地の選定、カッピングを継続して、実験的に多くの豆を購入しつつあります。4月以降多様なコロンビアコーヒーを販売していきますのでお楽しみください。

 
ここ数年の実験的取り組みについて
ここ数年は、農園内の栽培エリアの限定や品種の特定、さらには精製方法の多様な方法を通し香味がどのように変化するかなど実験的な取り組みを始めています。これも1年限りではなく毎年継続して香味を見ています。
グァテマラ・サンタカタリーナのN05、パナマ・ベルリナの特別品、ニカラグアでのナチュラルの精製、コスタリカでのフルウオッシュト、特殊な品種など、コーヒーの香味の探求も多く行っています。そのため、さまざまな商品が目まぐるしく登場し、混乱するかもしれませんが、おつきあいいただければ幸いです。このようなプロセスを通じ、コーヒーの香味をより深く理解できるようになると考えています。

まだまだコーヒーの香味の世界には、未知の領域が多いということです。それでも10年前に比べれば急速に変化、発展したとは思います。