パパ日記

ハンドドリップの時代

1996年のスタバ進出以降飛躍的に拡大したコーヒーショップの動きが、2000年に入りバリスタという言葉とともにエスプレッソマーケットを飛躍的に拡大させました。

しかし、エスプレッソは本来9気圧で7Gの粉を30秒で30cc抽出するシステムでイタリア、スペイン、フランスの文化に根差したものです。これらは日本ではイタリアレストランやフレンチレストランで飲用されますが、コーヒーショップでの飲用は例外的です。多くはミルクを使用したカプチーノやカフェラテというものが大部分を占めています。またこれらのコーヒーショップではコーヒーメーカーで抽出したコーヒーも多く飲用されています。
しかし、いいコーヒーを楽しもうとしたときにコーヒーメーカーによる大量の抽出よりも一杯づつ丁寧に抽出する方法がいいのは当たり前です。コーヒーの品質や香味に対しての理解度が増し、よりおいしさを追求する米国のスペシャルティコーヒーショップの先端店でこの動きが2年ほど前から顕著になりました。

シングルサーブと呼ばれ、フレンチプレス、サイフォン、エアロプレス、ペーパードリップなどが試されました。しかし、最終的にはペーパードリップに集約される方向にあり米国からヨーロッパにその動きが広がっています。

そのため、コーヒーショップに入ると、エスプレッソをベースにしたメニューかペーパードリップのどちらかが選択できる店が増え始めています。
いいコーヒーへの理解が深まったのだと思います。
米国のマーケットはかなりのスピードで抽出の革命が進行しています。
日本の喫茶店の抽出は、ネル、サイフォン、ペーパードリップ、コーヒーメーカーなど多様な方法で行われています。それぞれの特徴があり、長短もあります。
しかし、日本の喫茶店ではペーパードリップは当たり前のように行われて、家庭でも日常的にペーパードリップでコーヒーを楽しんでいます。
日本人は器用ですのでそれらに順応が簡単だったと思います。
しかし、このペーパードリップはトテモ厄介な抽出方法です。
ドリッパーも、メリタ、カリタ、ハリオ、コーノその他種類も多く、みな抽出の解説が異なり、日本の喫茶店でも10店の店が10店とも異なる抽出方法を行っているといっても過言ではないでしょう。
つまりは、粉の量、粉の挽き具合、湯の温度、抽出の時間で味が変わるからです。
「とても厄介です」何が正しい香味なのか混乱しそうですね。
基本のきはいい豆を使用することですが、抽出の基本はなんなんでしょう?
これが堀口珈琲研究所の「抽出基礎編」となります。
しかし、コーヒーの香味っつて何?という根本的なことが理解できないと、自分の抽出に問題があるのか、豆そのものに問題があるのかさえ理解できません。
このあたりをべースに抽出基本的考えを解説し、実習し、いいコーヒーの香味を体験していただきます。

そして今日行う「ハンドドリップ技術編」はさらにその基本から進み、抽出によりどのように香味を表現するかという領域に入ります。
ドリップポットの選び方、湯のそそぎ方、抽出の温度、ドリッパーによる香味の違いなどコーヒーを淹れ続けてテクニックも身に着けてもらいます。
コーヒー店で働く人や、よりコーヒーを楽しみたい方のために始めたセミナーとなります。
そろそろ時間です。準備をしないと。