パパ日記

イエメン

イエメンに思い込みのあるコーヒー関係者や愛好家は、年齢の高い方たちでしょう。
カリブ海のコーヒーもそうですね。カリブの島々では20年以上前は何とかいいコーヒがたまに見られましたがでいまはコーヒー産業が衰退しつつあります。

したがって、若いコーヒー関係者はこれらの地のコーヒーを理解していないでしょう。

ですから 堀口珈琲はこれらの産地にも目を向け、ここ何年かで開発してきました。

イエメンは、エチオピアと並びコーヒーの歴史のある産地です。
ともにモカと呼ばれ、ナチュラルの精製が基本でした。

しかし、エチオピア、イエメンともにその品質はあまりよくなく、エチオピアのナチュラルはグレード4かグレード5の欠点の多い豆が主流で価格も安めです。
モカマタリとしてこれまで流通していた豆は、逆に品質が良くないにも関わらず価格が高く
その理由はよくわかりません。
それでもこれらの豆を、日本のコーヒー業界はモカとして販売してきました。
これらのコーヒーには、明らかにダメージの香味も含まれていましたが、日本は世界に誇る発酵食品の開発国ですので日本人はこの醗酵したかのような香味に慣れてしまったのでしょう。
モカと名がつくと売れてしまうようです。(モカはイエメンにあった昔の積み出し港)
エチオピアは、ナチュラルだけではなくウオッシュトの精製も開発し、欠点の少ないグレード1やグレード2のコーヒーも誕生しました。イルガチェフェなどは果実の香りが高い優れたウオッシュトコーヒーとなります。堀口珈琲は現在このエチオピアの最高級品を販売しています。
堀口珈琲では、エチオピアのナチュラルは品質が突出していなければ販売しません。
かつてミスティバレーを販売しましたが、それがグレード1のナチュラルでいまでは幻のコーヒーです。いまだに多くのエチオピアコーヒー愛好者にミスティバレーは?と聞かれます。
今はエチオピアのオークションシステムの変更で、作ってもらっても他の豆と混ぜられてしまうためやむなくやめています。

イエメンも品質の良いものであれば販売しますが、なかなかいいものには巡り会えません。
しかし、ここ2~3年の産地開発の中で、イエメンとしては例外的ともいえるトレサビリティのわかるコーヒーの入手が可能となりました。
それが販売中の「バニマタリ」です。
ナチュラルであるにも関わらず欠点が少なく、品質コントロールされた稀有な豆です。
多くのイエメンは、その生豆鮮度が低下していますが、バニマタリにはそれがありません。
当然生豆価格も通常日本で流通しているモカマタリといわれている生産履歴の曖昧なコーヒーに比べかなり高くなります。
イエメンは、特殊な砂漠のようなところにコーヒーが植えられていますが、地下には伏流水がながれているようです。
昔からの古い品種、独特の地形、土壌、気候風土などが極めて稀有な風味を生み出します。
この本物のイエメンの香味は、他の生産国では体験できないものですので是非ともお試しください。
yemen_BaniMatarFarm2.jpg
「バニマタリ」を より味わう方法
こうしなければいけないわけではありませんが…….
豆で購入した場合はできればできれば常温で保管してみてください。
この場合3週間以内程度で消費してください。(それ以上の場合は冷凍庫で)。
粉の場合はすぐに冷凍庫で保管ください。
ローストした新鮮なものをお届けしますが、数日常温で置いた方がより風味を体験できます。

1.生豆が比較的新鮮で濁り感や雑味が少ない
2.未熟や醗酵豆の混入が少なく醗酵臭がない
3.赤ワインのような風味がある
4.ブラックベリーのような果実の風味がある
このイエメンを使用したミディアムローストベースのブレンドが「まろやかブレンド」です。
今回の「バニマタリ」ストレートはやや深めのローストです。
マンデリンファンの次に、ケニアファン、そしてイエメンファンも増えることを期待しつつ
本物のイエメンが飲めるよう というより私が飲みたいので イエメンの産を開拓を継続します。