パパ日記

サンタカタリーナ-1 コーヒーのコクとは?

今朝のコーヒー
グァテマラ サンタカタリーナ

 

もう10年も付き合っているんですね。2004年に初めて訪問し、50袋(1袋69kg)から購入を初めて、今では農園の多くの豆を購入しています。

 

 

中米のコーヒーの香味を判断するには、酸とコクをきちんと把握する必要があります。アンティグアはコーヒー栽培の歴史も古く、伝統的な農園が多くありますが、その中でもサンタカタリーナは標高が高く土壌のよい場所にある農園です。

 

 

したがってグァテマラの他の産地よりは酸とコクもしっかりしたコーヒーができる産地といえ、ブルボンの基本の香味を理解するうえではこの地のコーヒーを抜きにはできません。中米の基本的な香味の基準値にさえなるでしょう。

 

 

中米には多くの生産国や産地があります。ANACAFE(グァテマラの全国コーヒー協会)の区分によると、グァテマラには8つの生産地がありますが、多くの場合アンティグアのコーヒーと他の7つの産地のコーヒーとは異なります。

 

 

その違いを理解するうえでコーヒーを酸とコクという観点からとらえた場合、酸には明るい酸から華やかな酸、そして果実のような酸までその質は多様で、中米の優れたコーヒーの中にも見いだすことはできます。しかし、しっかりしたコクのあるコーヒーは少なく貴重である、ということを理解するのは難しく、プロでも多くの産地の生豆を5年から10年以上体験するしかないでしょう。

 

 

サンタカタリーナは、優れた酸のみならず明確なコク(粘性、舌触りで、滑らかな感覚)がきちんとあることに特徴があり、これが他の多くの中米のコーヒーとの違いとなります。明確なコクがあるということは、豆質も固く、しっかりした香味があるということを意味します。このコクを理解できれば、アンティグア産の優れたコーヒーが、深いローストでも香味を損なわず、むしろ素晴らしい香味を醸し出すということが理解できるようになります。

 

 

私の場合はコクを5段階に分けます。ライト、ミディアム、フルボディとそれぞれの中間ですね。別な表現ですとシルキー、フランネル、ベルベットとその中間です。個人的な感覚となりが、コーヒーのコクはこの感覚の中で区分します。このような感覚で区分できるようになるには10年以上の歳月がかかりましたので、プロを含め多くの方にはわかりにくいかとは思いますが、その感覚をお伝えすることで、コーヒーを香味の全体像を把握する手助けにはなるとは思います。

 

 

このコクに匹敵するものは、パナマのコトワのダンカンやコスタリカのタラスや一部の特殊なコーヒーとなるでしょう。酸は浅いローストにすればわかりやすくなりますので、米国のサードウエーブなどの多くはそのような選択をしています。しかし、深いローストにしても酸が味わえ、さらにコクとのバランスを楽しめるコーヒーが存在するということが理解できれば、深いローストで香味の多様性を表現することの重要さも理解できるはずです。