NYコーヒー相場は、昨年の高騰から下落傾向にあります。ブラジルの増産、投機資金の流出、景気の減速懸念などが要因とされています。
しかし、この相場はコマーシャルコーヒー(汎用品)が基準で、スペシャルティコーヒーはまた異なる生豆マーケット基準が存在します。
並のスペシャルティはNYと多少連動し価格が下がるものの、トップオブトップの生豆価格はそう単純に価格と連動するわけではありません。
素晴らしい生産者の農園であれば、使いたいという会社は世界中に多く存在します。しかし、価格が安くはなく、買える会社となると世界広しといえどもかなり限定されます。
10袋程度の少量であれば買える会社があるかもしれませんが、農園はそのような細切れで売る訳ではありません。やはり100袋とか250袋(1コンテナ程度の量)の取引が基本となります。結果として「買える力のある会社が買う」ということなります。それは、大企業だから買えるのではありません。最高品質の価格の高い豆を販売する力のある会社しか買えないことになります。
そうなるともうビジネスとしての効率的な考えでは割り切れなくなります。その農園や生産者にほれ込んで買うという別の次元の取引となります。少なくとも堀口珈琲研究所はそのように考え、少し無理をしてでも買うわけです。
そんな考えで購入しているのが「コトワ農園(リカルド・コイナー氏)」の豆です。
たぶんリカルドも、堀口珈琲をいい豆を扱う特別のバイヤーとしてみてくれていると思います。
コトワ農園からは、トラディショナル・リザーブ、ドン-K、ダンカンと3種の畑の生豆を購入しています。今回販売したダンカンは、中米産のコーヒーでは突出した品質と香味でしょう。
華やかな酸としっかりしたコク、甘いアフターなど全体として調和がとれています。
パナマのボケテ地区の優れた気象条件や地形と土質に恵まれた畑が生み出したコーヒーです。
ハイローストまでのローストでしか香味を表現できないような豆ではなく、複雑で完成されたかのような香味を内包した豆ですので、当然深くもローストできます。
シティローストでもフレンチローストでも多様な香味を表現できる稀有な豆だと思います。
昨年のコトワ農園については活動日記
2011.11.11 2011.9.9 2011.8.24を参照ください。