テースティング会お疲れ様でした。
スマトラマンデリンを中心に行いました。
リントン地域の在来種系のマンデリンの香味をきちんと把握すると、
マンデリンの汎用品、アチェ地域のマンデリン、スラウエシ島の豆の香味との違いが分かるようになります。
マンデリンの明確な酸となめらかなコクは独特です。
一般的にマンデリンには苦みがあり、酸がないといわれますが、本来はレモンやオレンジのような明るく甘い酸があります。
さらに良いものはトロピカルフルーツのニュアンスが含まれることもあります。
しかし、日本での多くの認識は下記のようなものが主流です。
生産地域や品種によりまた水分値の高い生豆を乾燥する独特の精製方法を追い求めてみると、優れたものは下記とは全く異なる香味のコーヒーということが理解できます。
「コクのアル柔らかな苦みと上品な風味」
(現在の某商社資料から)
「クリームのような濃厚なコクは独特の風味。酸味はなく苦みが特徴です。」
(1968年初版の本から)
テースティング会のマンデリンからは、まず酸の輪郭が明確であること、なめらかな舌触りに特徴があることがすぐにわかります。
また優れたマンデリンは、1年を通し香味が複雑に変化していきますので、そのあたりも楽しむことができます。
強い酸の主張から、徐々に青い草、芝などの風味、杉や檜の心地よい味わい、さらにはなめし皮のような風味など多様な香味のニュアンスを堪能できます。勿論クリームのような、ベルベットのようなフルボディの舌触りも貴重です。
LCFマンデリンの素晴らしさは、まさにここにありますので、お試しください。
ミディアムローストで飲めば、果実感のあるジュースのような香味も体験できますが、毎日だと飽きてしまいます。
コーヒーはジュースではありませんので、もっと奥深い香味の愉しみ方がコーヒーにはあることをご理解いただければ嬉しいです。