パパ日記

単一農園

最近は珈琲店及びチェーン店でも単一農園名の豆が使用されることが多くなってきました。シングルエステートとかシングルオリジンといういい方もされますね、

 

このようなコーヒーは2000年のスペシャルティコーヒーの萌芽とともに生まれてきましたが、今から10年前でもそれほど多くはなく、15年前にさかのぼれば一部の例外を除きはほとんどありませんでした。

 
多くの農作物にトレサビリティが求めらる時代にあってコーヒーも避けては通れないという社会的側面と、各産地の基本的な品質、香味を求める消費国サイドの要求という側面から生まれてきていると思います。

 
個人的には2000年以降に、このような単一農園の確保に挑みました。
しかし、当時はエクスポータやインポーターが作ったブランドがプレミアムコーヒーとして流通していましたので、単一農園という概念やその価値観を理解できるコーヒー関係者はほとんどいませんでした。
単純に農園のコーヒーを試したいという試みに対しては、「なんで」とか「そんなこと言われたことがない」という反応が大部分でその壁は高かったと思います。
したがってその壁を壊すには、1コンテナ分の量を購入することを前提とした取り組みが必要でした。
 

そのような時代から見れば、今は当たり前に単一農園名の豆が流通しています。
しかし、全体の量からすれば多くはありませんので、それらを売りにすることも多く見られるようになっています。
マーケットが成熟して来れば、そのようなコーヒーにも関心がもたれるようになるのでしょう。

 

しかし、だからと言ってシングルエステートのコーヒーがすべて良いのかといえば、一概には言えず、きちんと香味で判断しなければなりません。

 

 

コーヒーは栽培から、精製、輸送、保管そして最終的な焙煎、抽出までの長い工程がありその結果の香味で判断されます。それらのプロセスの中で何らかの問題があれば、そのコーヒーが良いとは言えません。
 

コーヒーの香味はその生豆による影響が最も大きく、その品質が問われます。
したがって、単一農園の豆だからおいしいという論理は成り立ちません。
昨日某チェーン店で飲んだ某農園のコーヒーは、そんなことを考えさせるものでした。

 

 

そうは言っても、何が良くて何がいけないのかは簡単に理解できることではありません。
できるだけ良い香味のコーヒーを飲み、自分の味覚を開発、訓練するしかないと思います。信頼できる店でコーヒーを購入したり飲んだりすることの積み重ねにより判断できるようになると思います。

抽出基礎やカッピングを受講された方は何を言っているのか理解できますよね………。